ー奇談ー學校へ行こう5
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
亘理『悠ちゃん』
悠「あー?」
亘理『携帯に私のローアングルショットがあるってホントぉぉぉ?』
悠「こわっ?!っか、無いよ?」
亘理『ふーーん』
悠「じゃあ、見てみるといいほれおれのケータイ」
摩耶「携帯持ってる?!」
悠「そのことに驚かれたよ……。」
千世子「はいはい、じゅぎょーしますよーなのだ。」
【ウボ=サスラ】
別表記:なし
登場作品:クラーク・アシュトン・スミス「ウボ=サスラ」
亘理『あれ……ホントにない。猫しかない。』
悠「だから無いっていっただろ」
亘理『持ってなさいよ!!』
悠「おかしなキレられ方された」
千世子「灰色の肉塊という姿をした無定形のウボ=サスラは、クトゥルーやヨグ=ソトースといった神々に先んじて外宇宙から地球へと飛来した旧支配者なのだ。」
亘理『おかしいなー。メフィ先生絞めたら悠ちゃんが渡したっていったのに』
悠「まっさかー」
摩耶「……」
千世子「ウボ=サラスは地の底深くにある蒸気の立ちこめる泥沼をすみかとし、その身体が身じろぎするたびに振り落とされた肉塊は原型と呼ばれる別個の生命となったが、その多くは生まれ落ちてすぐにウボ=サスラに食べられてしまうのだ。分裂と吸収のサイクルを繰り返すウボ=サスラの生命活動はアブホースのそれに酷似しているのでウボ=サスラとアブホースを同一視する者たちも少なからず存在するのだ。」
摩耶「ねっね?」
悠「あー?」
摩耶「スマホの方は?」
悠「摩耶晩御飯何が食べたい?」
摩耶「ラーメンかな」
千世子「ウボ=サスラこそあらゆる生命の母胎なのだという伝説もあるが、これは「古きもの」が造り出したショゴスの細胞から地球上の生物が進化したという別の伝説に矛盾するのだ。」
悠「……っか、なんでそーなった?」
亘理『メフィ先生がなんかにやにやと携帯画面見てるから覗きこむと私の姿が映ってたのさー』
神姫「っで?」
亘理『もちろん、姉御直伝のジャーマンツープレックスでゴッンと』
悠「何教えてんだよ」
神姫「投げ」
千世子「しかしながら、禁書の書物に深く分け入った者たちの間では、最初のショゴスであるクゥッグオルがウボ=サスラに仕えていることから「古きもの」たちがウボ=サスラの体組織を改良することでショゴスを造り出したという、双方の説を共に満足させる生命起源説が有力視されるようになっているのだ。」
亘理『ということは苦し紛れに嘘ついたのか』
悠「……だな」
摩耶「苦しいなぁ」
亘理『まーでも、悠ちゃんなら許したけどね』
悠「ほほう、じゃあ今度しっかりと撮らせてくれ」
千世子「ウボ=サスラは知性らしきものを持っていないというのが通説だが、アザトースと同様、旧神たちに敗北したことで知性を奪われたのだという伝説もあるのだ。これを裏付けるように、ウボ=サスラの周囲に散乱している石板には、宇宙が創造される以前に存在した神々の知識が刻まれているのだとまことしやかに伝えられているのだ。」
摩耶「そのうち酷い目にあうよ?」
悠「常日頃からあってる気もしますんだが」
神姫「それだけ行いが悪いんでしょ」
悠「そーかなぁ……」
千世子「有史以来、数多くの魔術師や隠秘学者たちがウボ=サスラの住む洞窟を探してきたのは、星から切り出された石板に記された宇宙創成の秘密を求めてのことなのだ。彼らのうちの何人かは幸運にも、あるいは不運にもウボ=サスラの元にたどりついたのだといわれているが、首尾よくその知識を持ちかえることができた人間は皆無なのだ。以上、ウボ=サスラのじゅぎょーだったのだ」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
亘理『悠ちゃん』
悠「あー?」
亘理『携帯に私のローアングルショットがあるってホントぉぉぉ?』
悠「こわっ?!っか、無いよ?」
亘理『ふーーん』
悠「じゃあ、見てみるといいほれおれのケータイ」
摩耶「携帯持ってる?!」
悠「そのことに驚かれたよ……。」
千世子「はいはい、じゅぎょーしますよーなのだ。」
【ウボ=サスラ】
別表記:なし
登場作品:クラーク・アシュトン・スミス「ウボ=サスラ」
亘理『あれ……ホントにない。猫しかない。』
悠「だから無いっていっただろ」
亘理『持ってなさいよ!!』
悠「おかしなキレられ方された」
千世子「灰色の肉塊という姿をした無定形のウボ=サスラは、クトゥルーやヨグ=ソトースといった神々に先んじて外宇宙から地球へと飛来した旧支配者なのだ。」
亘理『おかしいなー。メフィ先生絞めたら悠ちゃんが渡したっていったのに』
悠「まっさかー」
摩耶「……」
千世子「ウボ=サラスは地の底深くにある蒸気の立ちこめる泥沼をすみかとし、その身体が身じろぎするたびに振り落とされた肉塊は原型と呼ばれる別個の生命となったが、その多くは生まれ落ちてすぐにウボ=サスラに食べられてしまうのだ。分裂と吸収のサイクルを繰り返すウボ=サスラの生命活動はアブホースのそれに酷似しているのでウボ=サスラとアブホースを同一視する者たちも少なからず存在するのだ。」
摩耶「ねっね?」
悠「あー?」
摩耶「スマホの方は?」
悠「摩耶晩御飯何が食べたい?」
摩耶「ラーメンかな」
千世子「ウボ=サスラこそあらゆる生命の母胎なのだという伝説もあるが、これは「古きもの」が造り出したショゴスの細胞から地球上の生物が進化したという別の伝説に矛盾するのだ。」
悠「……っか、なんでそーなった?」
亘理『メフィ先生がなんかにやにやと携帯画面見てるから覗きこむと私の姿が映ってたのさー』
神姫「っで?」
亘理『もちろん、姉御直伝のジャーマンツープレックスでゴッンと』
悠「何教えてんだよ」
神姫「投げ」
千世子「しかしながら、禁書の書物に深く分け入った者たちの間では、最初のショゴスであるクゥッグオルがウボ=サスラに仕えていることから「古きもの」たちがウボ=サスラの体組織を改良することでショゴスを造り出したという、双方の説を共に満足させる生命起源説が有力視されるようになっているのだ。」
亘理『ということは苦し紛れに嘘ついたのか』
悠「……だな」
摩耶「苦しいなぁ」
亘理『まーでも、悠ちゃんなら許したけどね』
悠「ほほう、じゃあ今度しっかりと撮らせてくれ」
千世子「ウボ=サスラは知性らしきものを持っていないというのが通説だが、アザトースと同様、旧神たちに敗北したことで知性を奪われたのだという伝説もあるのだ。これを裏付けるように、ウボ=サスラの周囲に散乱している石板には、宇宙が創造される以前に存在した神々の知識が刻まれているのだとまことしやかに伝えられているのだ。」
摩耶「そのうち酷い目にあうよ?」
悠「常日頃からあってる気もしますんだが」
神姫「それだけ行いが悪いんでしょ」
悠「そーかなぁ……」
千世子「有史以来、数多くの魔術師や隠秘学者たちがウボ=サスラの住む洞窟を探してきたのは、星から切り出された石板に記された宇宙創成の秘密を求めてのことなのだ。彼らのうちの何人かは幸運にも、あるいは不運にもウボ=サスラの元にたどりついたのだといわれているが、首尾よくその知識を持ちかえることができた人間は皆無なのだ。以上、ウボ=サスラのじゅぎょーだったのだ」