ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「……」

摩耶「どしたの?手なんか見つめて雌火竜の棘でも刺さった?」

悠「さすがにそんな素材が刺さってたらおれは毒で逝ってるよ」

摩耶「毒無効でも棘が突き立ったままだと嫌だろうね」

神姫「むしろ毒より分かりやすい致命傷じゃない?それ」

悠「でも、棘のサイズ次第じゃないか?一本、一本が五寸釘ぐらいあったらそりゃヤバいが数ミリ程度だったら死には至らない。痛いだろうけど」

神姫「血管に針が侵入したら死ぬわよ?」

ピッ!

悠「ねぇ、それ大分前におれが刺されてヤバい目にあった針だよね。なんでもってんの?なんで穂先を僕に向けてるの?」

神姫「これ?もらったの肉まん潰したような顔の子供に」

悠「アイツロードローラーで轢き殺されないかな」

摩耶「その程度じゃ死なないんじゃない?」

千世子「なに怖い話ししてるのだ?」

悠「二の腕と胸の軟らかさが同じ感触だという噂はよく耳にするが本当かどうかを話しあってる最中だ」

摩耶「凄い、さも今まで本当にそんな話していたかのような話しっぷり」

神姫「私それ初めて聞いたわ。本当かしら?」

悠「揉んで試してみるといい」

神姫「……」

ストッ!
悠「神に誓って一ミクロンも手を動かしてないのに針を投げられたのはなんで?」

摩耶「ちなみに外したの?外れたの?」

神姫「蚊が居たのよ」

悠「嘘つけ!!」

神姫「……」

悠「え?なにその目」

千世子「……あっ、本当に蚊に刺さってるのだ」

悠「……」

神姫「……謝罪」

悠「すいません」

神姫「ちゃんと謝罪」

悠「申し訳ありませんでした」

神姫「土下座」

悠「そこまでの要求はいくらなんでもいきすぎではないでしょうか」

神姫「どこまでやるかなって思って」

悠「分かってたよ。本当は謝罪なんてどーでも良かった!おれを辱めたかっただけなんだと」

神姫「別にそんなものみたくもないけどね。」

悠「喜でも哀でもなく無でやられることこそが会心の超一撃」

千世子「あんちんも大変だななのだ」

悠「大変だよ」

摩耶「正座まではしちゃってるのが中々の調教されっぷりだよね」

神姫「したつもりもないけどね」

悠「ローアングルって結構いい眺めだよな」

神姫「この距離なら顔蹴り飛ばせるわよ」

悠「おれの……瞬間回避力をなめっ……」

神姫「遅い。」

ゴスッ!
悠「に゛ゃんっ!?」

摩耶「クリティカルヒット」

千世子「あんちん、生きてるのだ?」

悠「ふ、ふふっ……おれはこんなこともあうかとつねひごろからずがいこつをしこんであるのだ」

摩耶「油断してたから完璧に脳揺れてるっぽいけどね」

神姫「それでも十分良かったんじゃないの?」

摩耶「ん?」

神姫「何色だった?」

悠「神姫は黒、千世子はピンク……っだが、毛糸はさすがに熱くないか?」

千世子「にゃっ///?!」

摩耶「さすが、転んでもただでは起きないね」

悠「はは、脳がグワングワンしてて起き上れないんだけどな」

千世子「もー……!」

神姫「ま、そのくらいの覚悟があったから私も蹴ったしいいじゃない」

千世子「千世子は巻き込まれただけなのだっ!!」
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