ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ダメだな……おれはホントダメなやつだ」

亘理『どしたの?』

悠「ちょっとやっちゃうと再燃してマジギャザのカードパック買っちゃったよ」

摩耶「もの凄い衝動買いだね」

悠「今月ピンチなんだけどな」

神姫「今月もう終わるけどね」

悠「続けて来月初っ端なからキツイってこと」

千世子「無駄遣いは良くないのだ」

悠「無駄遣いじゃなく……衝動遣いだ」

雨「同じでしょ」

千世子「じゃ、じゅぎょーしまーすなのだ。」

悠「なにがじゃあなんだろうか……。」

千世子「人類がやってくる以前にハイパーボリアを支配し、ツァトゥグァを崇拝していたヴーアミ族は、ツァトゥグァの子供であるズヴィルポググーアの末裔であり、密林に住まう類人猿やナマケモノ、剣歯虎といった野獣たちもまたツァトゥグァを崇拝し、吼えるような声で祈りをささげたと伝えられているのだ。」

亘理『剣歯虎ってサーベルタイガー?』

悠「飛びかかるジャガーだな」

摩耶「火打ちのギドゥでダメージ」

神姫「化膿で破壊、再生不可」

悠「どうしても消し去りたいのか……」

千世子「やがてツァトゥグァのもたらす知識と加護を求めた一部の人間もまたこの神を崇拝するようになったのだ。崇拝者たちの儀式は生贄を伴う血なまぐさいものであったのだが、ツァトゥグァは熱心な崇拝者たちに対して惜しみなく知識や魔法の道具を分け与えたのみならず、彼らが危難に見舞われた際には救いの手を差し伸ばしたのだ。」

摩耶「化膿って何色?」

神姫「黒緑①、アーティファクトも壊せるから使い勝手いいわよ」

悠「でもジャガー程度に浴びせるインスタントじゃねーよな」

神姫「考えなくインフェルノ撃ちまくる奴にいわれたくない」

千世子「こうした崇拝者たちの中でも特に名前が知られているのが、「底知れぬもの」とも呼ばれるムー・トゥーランの魔術師エイボンなのだ。ハイパーボリアの全盛期において、ツァトゥグァの崇拝者たちはこの地の人間から人気があったヘラジカの女神イホウンデーの神殿から弾圧を受けていたのだが、エイボン討伐をもくろんだ神官長モルギが仇敵と共に失踪した後、人々はイホウンデーを捨て、ツァトゥグァを崇拝するようになったというのだ。このエイボンの遺した記録や言行録を弟子のサイロンが編集したのが、「ネクロノミコン」と並び称される「エイボンの書」なのだ。」

摩耶「ド火力なら暴動鎮圧とがもいいよね。普通に回復してノーダメージ」

悠「モンスターを焼くのが目的だから別にプレーヤーダメージは他ので焼いてってもいいんだけど……」

神姫「打ち消しとかでマナバーン起こしそうよねそれ」

悠「うん、普通によくやられる。」

千世子「ハイパーボリアが氷河の到来と共に滅びると、ツァトゥグァは暗黒世界ンカイに戻り、地上におけるツァトゥグァ信仰もやがて衰退していくことになるのだ。なおアヴェロン人と呼ばれるハイパーボリア人の末裔たちが植民したフランス南部のアヴェロワーニュ地方には「エイボンの書」とともにツァトゥグァ崇拝が持ちこまれているのだ。中世においてアヴェロワーニュには魔術と悪魔崇拝が蔓延し、ローマ・カトリックの司教すら堕落をまのがれなかったというのだ。」

亘理『そんな面白いなら私もまぜろょぅ』

悠「いいけど……おれがそれの準備しなきゃいかんのだよな?」

亘理『もちろん』

摩耶「あまってるカード僕のも分けたげるよ」

神姫「覚えてたら持ってきたげるわ」

悠「上から目せ痛たたっ!」

雨「余計な事いうから」

千世子「また、クンヤンの住民たちがヨスに残されていたツァトゥグァの彫像や書物を発見して蟇蛙の神への崇拝を復活させた事があるのだ。いっときはクトゥルーや蛇神イグへの崇拝に匹敵するほど熱狂的なものとなったが、あるときを境に廃れ、ツァトゥグァ神殿はシュブ=ニグラスの神殿に作り変えてしまったようなのだ。以上、ツァトゥグァのじゅぎょーだったのだ」
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