ー奇談ー學校へ行こう5
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「昨日さぁ「子豚の死骸を蛆虫が分解していく動画」見てたんだけど、なかなかトラウマもんだったよ」
亘理『悠ちゃん?どしたの?なんか辛いことあるの?』
がくがせくがくがく……!
悠「あれ、なんか心配されてる?」
摩耶「どういう流れ出いきついたの?」
悠「最初は石仮面を作ってみたの動画を見てて……いつのまにやら」
神姫「リョナ属性だったの?まぁ、人の性癖にとやかく言わないけど犯罪にならないようにしなさいね」
悠「今の今まで見たことないような優しい目と慈愛にとんだ声なのに全然嬉しくない、むしろ拒絶されてる恐怖を感じるぜ。」
千世子「イタカ~イタカ~なにみてはねる~ということで今日はイタカのじゅぎょーなのだ」
【イタカ】
別表記:イタクァ/イサカ/ウェディンゴ
登場作品:オーガスト・ダーレス「風に乗りて歩むもの」
悠「いきなりだな」
神姫「十五夜にはまだ早いし」
悠「行儀よく真面目なんてできやしなかぁーった」
神姫「……」
悠「わぉ、シカト」
亘理『根本的に行儀よく真面目でもないしね』
千世子「恒星間を吹く風に乗って星間宇宙を渡り歩くことから「風に乗りて歩むもの」等と呼ばれているイタカは、地球北方の寒冷地をテリトリーとする旧支配者なのだ。」
悠「そうか?おれなんか結構、行儀よく真面目だろ」
「「「……」」」
摩耶「あ、凄いよ。今世界が静止した。THE・WORLD」
悠「世界が止まるような発言だったか?んん?」
神姫「失言の域よ」
悠「そこまでダメっすか」
千世子「一説によれば、かつてハスターの支配下として旧神に戦いを挑み、ボレアと呼ばれる並行宇宙の世界に封印されてしまったというイタカだが、北半球各地で発生している雪の夜の不可解な失踪事件の数々は、風神が既にその幽閉場所から解放され、地球に舞い戻っていることを暗示しているのだ。」
神姫「悠もさらわれたらいいのに」
悠「おれは雪が降ってる時点で出歩かないから大丈夫だ」
摩耶「なるほど」
雨「え、納得できたの?」
亘理『悠ちゃんは私をさらっていいよ』
悠「ん、いいや。」
亘理『ことわんなよっ!』
千世子「焼死体をねじ曲げたようなグロテスクな姿をしているというイタカだが、豪雪の夜に現れるこの神の姿を見たものは殆どそんざいしないのだ。数少ない目撃談によれば、人間の形をした巨大な雲のような物が空を覆い尽くし、そのてっぺんに星を思わせる赤い光がふたつ輝くのが見えたというのだ。」
悠「焼死体をねじ曲げるってなんなんだろうな」
摩耶「肉質のある蛇花火」
悠「あぁっ!!」
雨「なるほど、みたいな顔してんじゃないわよ」
千世子「なお、イタカの立っていた場所には水かき状の物がある足痕が残されていて、その足跡の間隔から、歩くというよりもはねるようにして雪上を高速移動することが窺えるのだ。」
悠「ラージャンじゃねソレ」
摩耶「赤らー?」
悠「ケタ違いの方か」
千世子「アンゴンキン族やオジブウェー族といった北米先住民族の間では、イタカではなく「ウェディンゴ」という名前で知られ、人間の肉の味を覚えて堕落したものがついには怪物に身を落とした姿なのだと古くから考えられてきたのだ。」
悠「魔獣転生」
摩耶「狼男とかも同種?」
悠「寒冷と平地の変化だな。」
雨「その辺の野生動物と一緒にすんな」
千世子「実際イタカに魅入られた犠牲者のある者は、焦げ付くようなやけどの痛みを両足に感じ、絶叫しながら徐々に変形していき、ついにはイタカのような姿になり果てたというのだ。以上、イタカのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「昨日さぁ「子豚の死骸を蛆虫が分解していく動画」見てたんだけど、なかなかトラウマもんだったよ」
亘理『悠ちゃん?どしたの?なんか辛いことあるの?』
がくがせくがくがく……!
悠「あれ、なんか心配されてる?」
摩耶「どういう流れ出いきついたの?」
悠「最初は石仮面を作ってみたの動画を見てて……いつのまにやら」
神姫「リョナ属性だったの?まぁ、人の性癖にとやかく言わないけど犯罪にならないようにしなさいね」
悠「今の今まで見たことないような優しい目と慈愛にとんだ声なのに全然嬉しくない、むしろ拒絶されてる恐怖を感じるぜ。」
千世子「イタカ~イタカ~なにみてはねる~ということで今日はイタカのじゅぎょーなのだ」
【イタカ】
別表記:イタクァ/イサカ/ウェディンゴ
登場作品:オーガスト・ダーレス「風に乗りて歩むもの」
悠「いきなりだな」
神姫「十五夜にはまだ早いし」
悠「行儀よく真面目なんてできやしなかぁーった」
神姫「……」
悠「わぉ、シカト」
亘理『根本的に行儀よく真面目でもないしね』
千世子「恒星間を吹く風に乗って星間宇宙を渡り歩くことから「風に乗りて歩むもの」等と呼ばれているイタカは、地球北方の寒冷地をテリトリーとする旧支配者なのだ。」
悠「そうか?おれなんか結構、行儀よく真面目だろ」
「「「……」」」
摩耶「あ、凄いよ。今世界が静止した。THE・WORLD」
悠「世界が止まるような発言だったか?んん?」
神姫「失言の域よ」
悠「そこまでダメっすか」
千世子「一説によれば、かつてハスターの支配下として旧神に戦いを挑み、ボレアと呼ばれる並行宇宙の世界に封印されてしまったというイタカだが、北半球各地で発生している雪の夜の不可解な失踪事件の数々は、風神が既にその幽閉場所から解放され、地球に舞い戻っていることを暗示しているのだ。」
神姫「悠もさらわれたらいいのに」
悠「おれは雪が降ってる時点で出歩かないから大丈夫だ」
摩耶「なるほど」
雨「え、納得できたの?」
亘理『悠ちゃんは私をさらっていいよ』
悠「ん、いいや。」
亘理『ことわんなよっ!』
千世子「焼死体をねじ曲げたようなグロテスクな姿をしているというイタカだが、豪雪の夜に現れるこの神の姿を見たものは殆どそんざいしないのだ。数少ない目撃談によれば、人間の形をした巨大な雲のような物が空を覆い尽くし、そのてっぺんに星を思わせる赤い光がふたつ輝くのが見えたというのだ。」
悠「焼死体をねじ曲げるってなんなんだろうな」
摩耶「肉質のある蛇花火」
悠「あぁっ!!」
雨「なるほど、みたいな顔してんじゃないわよ」
千世子「なお、イタカの立っていた場所には水かき状の物がある足痕が残されていて、その足跡の間隔から、歩くというよりもはねるようにして雪上を高速移動することが窺えるのだ。」
悠「ラージャンじゃねソレ」
摩耶「赤らー?」
悠「ケタ違いの方か」
千世子「アンゴンキン族やオジブウェー族といった北米先住民族の間では、イタカではなく「ウェディンゴ」という名前で知られ、人間の肉の味を覚えて堕落したものがついには怪物に身を落とした姿なのだと古くから考えられてきたのだ。」
悠「魔獣転生」
摩耶「狼男とかも同種?」
悠「寒冷と平地の変化だな。」
雨「その辺の野生動物と一緒にすんな」
千世子「実際イタカに魅入られた犠牲者のある者は、焦げ付くようなやけどの痛みを両足に感じ、絶叫しながら徐々に変形していき、ついにはイタカのような姿になり果てたというのだ。以上、イタカのじゅぎょーだったのだ。」