ー奇談ー學校へ行こう
ー教室(12/23/夜)ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代に取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。
千世子「はーい、じゃあ昨日の続きなのだ。今日で赤い竜と白い竜は終わるのでしっかり聞いてくださいなのだ。」
摩耶「はーい」
花描「ういーす」
悠「ウツラウツラ…」
神姫は悠の足を踵で踏みつけた。
悠はギャッと悲鳴をあげて目を覚ました。
千世子「赤い竜と白い竜が民族の守護竜となったのは、アーサー王伝説よりもずっとまえのことなのだ。「ブリタニア列王史」より700年前の5世紀、現実のアングロ人とサクソン人がイギリスに侵入したとき、この竜はすでに民族の守護竜だったらしいのだ。」
摩耶「ふぅん…その竜はどこからきたの?」
千世子「竜が民族の守護者となった理由については諸説あるのだ、両方の民族に共通する説がひとつあるのだ。それは最初に登場した「ローマ帝国」に由来するのだ。」
花描「ローマ帝国っていえば軍隊の旗に、蛇や竜みたいな紋章描いてたな。」
千世子「うむ、彼らに統治されていたブリトン人は、この紋章を自分達の軍旗にも採用したため、赤い竜がブリトン人の象徴になったというものなのだ。また、ローマ帝国と敵対していたアングロ人やサクソン人も、ローマの軍旗を見てこれを真似し、白い竜を軍旗に描いたといわれてるのだ。」
神姫「つまり、赤い竜と白い竜はどちらもローマ帝国起源なのね。」
悠「もっともブリトン人の赤い竜については、「地震と災厄を招く黒い竜を、水神であれ赤い竜が倒した」っていう伝承がもとになっているという説も有力だな」
摩耶「それだと白い竜は?」
千世子「ブリトン人の赤い竜は代々受け継がれて、現在ではブリトン人の末裔を自称するウェールズの国旗に採用されてるのだ。ウェールズ人は、じぶんたちを「ドラゴンハート」と自称するほど赤い竜を愛してる国民なのだ。一方で白い竜のほうは、アングロ人やサクソン人の末裔たちにはとんど使われなかったのだ。なぜ民族の象徴である白い竜が忘れ去られてしまったのか、その理由はいまだに解明されてないのだ。」
摩耶「歴史の謎だね」
千世子「はい、じゃあ以上で赤い竜と白い竜のじゅぎょーは終わりなのだ。明日は「ファイアードレイク」のじゅぎょーなのだ」
悠「きりーつ、礼。お疲れさま~」
摩耶「悠くん、このあとご飯どうかな?」
悠「悪い、ちょっと用事あるんだ」
摩耶「そか…残念」
花描「じゃあ、おれといくか?」
摩耶「そうしようかな。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代に取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。
千世子「はーい、じゃあ昨日の続きなのだ。今日で赤い竜と白い竜は終わるのでしっかり聞いてくださいなのだ。」
摩耶「はーい」
花描「ういーす」
悠「ウツラウツラ…」
神姫は悠の足を踵で踏みつけた。
悠はギャッと悲鳴をあげて目を覚ました。
千世子「赤い竜と白い竜が民族の守護竜となったのは、アーサー王伝説よりもずっとまえのことなのだ。「ブリタニア列王史」より700年前の5世紀、現実のアングロ人とサクソン人がイギリスに侵入したとき、この竜はすでに民族の守護竜だったらしいのだ。」
摩耶「ふぅん…その竜はどこからきたの?」
千世子「竜が民族の守護者となった理由については諸説あるのだ、両方の民族に共通する説がひとつあるのだ。それは最初に登場した「ローマ帝国」に由来するのだ。」
花描「ローマ帝国っていえば軍隊の旗に、蛇や竜みたいな紋章描いてたな。」
千世子「うむ、彼らに統治されていたブリトン人は、この紋章を自分達の軍旗にも採用したため、赤い竜がブリトン人の象徴になったというものなのだ。また、ローマ帝国と敵対していたアングロ人やサクソン人も、ローマの軍旗を見てこれを真似し、白い竜を軍旗に描いたといわれてるのだ。」
神姫「つまり、赤い竜と白い竜はどちらもローマ帝国起源なのね。」
悠「もっともブリトン人の赤い竜については、「地震と災厄を招く黒い竜を、水神であれ赤い竜が倒した」っていう伝承がもとになっているという説も有力だな」
摩耶「それだと白い竜は?」
千世子「ブリトン人の赤い竜は代々受け継がれて、現在ではブリトン人の末裔を自称するウェールズの国旗に採用されてるのだ。ウェールズ人は、じぶんたちを「ドラゴンハート」と自称するほど赤い竜を愛してる国民なのだ。一方で白い竜のほうは、アングロ人やサクソン人の末裔たちにはとんど使われなかったのだ。なぜ民族の象徴である白い竜が忘れ去られてしまったのか、その理由はいまだに解明されてないのだ。」
摩耶「歴史の謎だね」
千世子「はい、じゃあ以上で赤い竜と白い竜のじゅぎょーは終わりなのだ。明日は「ファイアードレイク」のじゅぎょーなのだ」
悠「きりーつ、礼。お疲れさま~」
摩耶「悠くん、このあとご飯どうかな?」
悠「悪い、ちょっと用事あるんだ」
摩耶「そか…残念」
花描「じゃあ、おれといくか?」
摩耶「そうしようかな。」