ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「かゆっ……蚊か?」
ぼりぼり…

千世子「かゆいからって搔いちゃダメなのだ」

悠「大人は良いんだよ」

摩耶「どーいう理屈だろう」

神姫｢屁理屈でしょ。｣

ゆうな「お父さんの得意分野だねっ!」

悠「口八丁手八丁、舌先三寸とはぁおれのことよっ!」

摩耶「わぁ、詐欺師みたーい」

悠「そんな褒めるなよ」

亘理『詐欺師は褒め言葉?!』

神姫「滅殺しとく?」

ゆうな「殺さない程度でお願いします」

悠「娘よ……」

ゆうな「息さえあったらとりあえずはいいんで、好きにしてくれて構いません」

悠「わかっていた、こうなることは分かっていたのにっ!!」

神姫「教育出来てるわね」

悠「ふふん、だろう」

摩耶「まぁ、でも……その結果半殺しにあう事が決まったんだけどね」

悠「あれ?それって冗談じゃなく、有効で話し進んでる系ですか?」

神姫「取り返しのつかない決断をしてもリセットロードは無いのよ。」

悠「なんかスンマセン……。」

亘理『っていうか、久々だね。ゆうなちゃん』

ゆうな「夜六時を過ぎると家から出してくれないです」

摩耶｢本人は昼夜問わずうろついてる朝帰り常習犯の鉄砲玉の分際でおかしいねー｣

悠「今、分際とかいわれた?ねぇ?」

千世子「あんちん、シッ、今はゆうなとお話ししてるのだ」

神姫「黙らされたいの?」

悠「なにこの四面楚歌」

雨「嫌われてるんじゃないの?」

悠「キンチョールぶっかけてやろうかコラ。ターボライターで火炎放射放つぞ」

摩耶「殺虫剤としての効果は無くなってるよね」

神姫「殺虫剤と火炎ってどっちがキツイ?」

雨「私にそれを聞く?っていうかね、毒をまかれたり火炎放射されてキツクない生き物がいるわけないでしょ!」

神姫「私は爆炎でも屋外でなら引き裂けるわよ。熱の空気の間を圧し開ければ……。そもそも酸素が無ければ燃えはしないから圧し潰し消す手もあるけど」

悠「マジか?!」

神姫「……冗談よ」

悠「おい、多分出来るぞ」

ゆうな「お父さん今度やってみて」

悠「無理です」

千世子「神姫ねーちん魔法使いみたいなのだ」

悠「ロックブーケだな」

神姫「誰が七英雄の池袋よ」

摩耶「池袋?」

悠「あぁ……ロマサガ2の七英雄はJR山手線の駅名なんだよ。クジンシーは新宿、ボクオーンは新大久保、ダンターグは五反田、ロックブーケは池袋、スービエは恵比寿、ノエルは上野、ワグナスは品川。まぁ、小ネタだ」

摩耶「小ネタっていうか豆知識だね」