ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ロマサガ2をDSかPSPで移植出さないかな」

神姫「無理でしょ。携帯アプリで出てるみたいだし」

悠「それはイマイチだよな」

神姫「ぶちかましのトラウマを覚えるのはやっぱりスーファミのじゃないとダメよ」

悠「いや、触手のトラウマだろ。ガードしても四ケタってなんだよ。Maxライフ999だど。」

神姫「だどってなによ」

千世子「はーい、じゅぎょーしまーす。じゅぎょーしまーす!!」

悠「すっげぇガン見されてしかも二回いわれた」

亘理『大事なことだったんだね』

千世子「「門の鍵にして守護者」と呼ばれるヨグ=ソトースの本質は、全ての時間と空間に隣接した概念的な存在なのだ。生物同士の意思疎通を可能とする形を持たない「情報」はヨグ=ソトースによつて生じたものであり、過去に起きた、現在起きている、未来において起きるあらゆる事情を集積するログそのものともいうべきヨグ=ソトースは、まさしく神と呼ぶほかにはない「ヨグ=ソトースという現象」なのだ。」

悠「邪神はチートが多いな」

摩耶「まだ、二邪神目なのにそれいってたらキリないよね」

悠「ですけどねー」

神姫「攻撃が効かない、本体は何処にいるか不明、分離個体の強さが異常って手の施しようがないわよね」

悠「ゴールエクスペリエンス・レクイエムならあるいは……」

摩耶「好きだねホント」

千世子「有史以来、数多くの人間の魔術師たちが遥かな太古からヨグ=ソトースを崇め、ミ=ゴたちも「彼方なるもの」と呼んでこの神を崇拝したのだ。その背景にヨグ=ソトースが体現する永遠の真理への渇望があったことは想像に難くないのだ。「一にして全、全にして一」という錬金術の金言は、ヨグ=ソトースの異名に他ならないのだ。占星術では、ヨグ=ソトースは獅子宮の炎であり、方角的には南に対応するのだ。」

亘理『そんなに好きなの?』

悠「好きか嫌いかと聞かれたら超好きかな」

亘理『……もっかいいって』

悠「好きか嫌いかといったら超好き」

亘理『前半飛ばして後半だけ』

悠「おれが時を止めた。」

亘理『そんなこといってなかったぢゃん!!』

千世子「女王エリザベス一世の信任が厚かった16世紀イギリスの魔術師ジョン=ディーは『ネクロノミコン』を英訳したことでしられているが、彼はこの本に解説されていた、ヨグ=ソトースの召喚儀式を実践したらしいのだ。」

悠「あぁ……違ったか」

亘理『もーいっかい!』

悠「おれが最後にみせるのは代代受け継いだ未来にたくすツェペリ魂だ!人間の魂だ!」

亘理『いってねーだろコラ!!』

悠「へっへっへっまたまたやらせていただきましたァン!」

摩耶「おー、ここぞとばかりにジョセフ節を聞かせている」

神姫「アホよね」

千世子「『ネクロノミコン』によれば、ヨグ=ソトースをはじめとする旧支配者が異次元から出現するためには、石造りのテーブル状の祭壇と、正しく配置された11個の巨大な石がこれを取り囲む門が必要となるのだ。ブリテン島やアイルランドを含むヨーロッパ亜大陸の各地には環状列石が各地に存在し、それこそ中世紀ごろから観光地として人々の人気を集めて来たが、こうした場所の幾つかはヨグ=ソトースの神殿だったのだろう。その危険性を知る者たちにより、こうした神殿は部分的に破壊されていることが多く、キリスト教の修道士たちは立石に紋章を刻みこんで、恐ろしい用途で用いられることがないよう封印を施したのだ。以上、ヨグ=ソトースのじゅぎょーだったのだ。」
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