ー奇談ー學校へ行こう5
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「さっそく初めまーすなのだ。」
悠「うぉ……ほんとうにいきなりだな」
摩耶「やる気満々だねちょこちゃん」
悠「クトゥルーにハマったのかもな」
亘理『私はニャる子ちゃんのがいいなぁ……』
悠「ロン毛、黒下着の共通点あるからか?」
千世子「ネクロノミコンによれば、アザトースの吐き出す無意味な言葉の羅列こそは、この宇宙に存在する物質を生成せしめた想像の歌であり、その周囲を取り巻いてフルートや太鼓に似た楽器を演奏し続ける従神たちと共にでたらめに奏でている音楽が、この宇宙の構造を支えているのだというのだ。これが真実ならば、数学者や物理学者が愛する秩序だった宇宙の法則が、悠久の時の流れのほんの一瞬、まったくの偶然で成立しているあやういものということになるのだ。」
亘理『音楽って凄いね』
悠「アニソンとかな」
神姫「私も他人の骨が折れる音とか好き」
摩耶「あ、ボクもだよ」
悠「あら、やだ、怖い」
雨「関節でも鳴らしとけばいいんじゃない?」
悠「おっし」
パキポキ!
神姫「なにその威嚇……喧嘩売ってんの?」
悠「まるで逆効果だった」
千世子「事の真相はさておき、アザトースの周囲に楽器を携えた従者たちが群れ集い、主を慰めるように演奏を続けていることについては様々な文献に触れているのだ。ナイアーラトテップに導かれるなどしてアザトースの眼前に赴いた者たちの証言もまた、これを裏付けているのだ。アザトースの従者たちは自由自在に形を変化させる不定形の神々で、アザトースが召喚された際に随伴し、撤去した後もその場にとどまるというクラウド・シングや、緑色の炎の姿をしたトゥールスチャなど、彼らのなかには名前が知られている者もいるのだ。」
亘理『ナイアーラトテップって』
悠「ニャルラトテップのことだな」
神姫「ちょっと、こっち向きなさいよ。さっきの挑発行為の話しが済んでないわよ」
悠「違うんです。事故何です」
神姫「何がよ」
悠「ボランティアしてて」
神姫「だからどうした」
悠「エイプリルフールだと勘違いして」
神姫「何の勘違いよ」
悠「弁護士に止められてて」
神姫「息の根をとめてやろうか」
千世子「いかに旧支配者たちの総帥とはいえ、あまりにも異質な存在であるアザトースから何らかの見返りを得ることは期待出来ず、よほどの狂人でもなければアザトースを崇拝するようなモノは存在しないのだ。数少ない例外が「暗黒の男」の姿をとったナイアーラトテップを導師に仰ぐアーカムの魔女たちで、かれらはアザトースの玉座まで赴いて契約の書物に血で署名し、新しい名前を与えられるのだ。」
摩耶「今のボケ片は新しかったね」
悠「おれもボケ幅広げてか無いとな」
雨「ツッコミと称してとんでもない一撃が来そうだけどね」
千世子「イギリスのグロウスターシャーにあるゴーツウッドという街には、シャッガイという惑星から飛来した昆虫型の生物が住んでいるが、彼らもまたアザトースを崇拝する種族なのだ。彼らの前に現れるアザトースの化身は、何対もの脚に支えられた二枚貝の姿をしているのだ。半開きの口からはポリプ状の器官のついたつつのようなモノが何本か伸びていて、貝殻の奥にはぬめるような黒光りする毛髪に覆われ、落ち窪んだ目のある口の無い顔が隠れているというのだ。以上、アザトースのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
千世子「さっそく初めまーすなのだ。」
悠「うぉ……ほんとうにいきなりだな」
摩耶「やる気満々だねちょこちゃん」
悠「クトゥルーにハマったのかもな」
亘理『私はニャる子ちゃんのがいいなぁ……』
悠「ロン毛、黒下着の共通点あるからか?」
千世子「ネクロノミコンによれば、アザトースの吐き出す無意味な言葉の羅列こそは、この宇宙に存在する物質を生成せしめた想像の歌であり、その周囲を取り巻いてフルートや太鼓に似た楽器を演奏し続ける従神たちと共にでたらめに奏でている音楽が、この宇宙の構造を支えているのだというのだ。これが真実ならば、数学者や物理学者が愛する秩序だった宇宙の法則が、悠久の時の流れのほんの一瞬、まったくの偶然で成立しているあやういものということになるのだ。」
亘理『音楽って凄いね』
悠「アニソンとかな」
神姫「私も他人の骨が折れる音とか好き」
摩耶「あ、ボクもだよ」
悠「あら、やだ、怖い」
雨「関節でも鳴らしとけばいいんじゃない?」
悠「おっし」
パキポキ!
神姫「なにその威嚇……喧嘩売ってんの?」
悠「まるで逆効果だった」
千世子「事の真相はさておき、アザトースの周囲に楽器を携えた従者たちが群れ集い、主を慰めるように演奏を続けていることについては様々な文献に触れているのだ。ナイアーラトテップに導かれるなどしてアザトースの眼前に赴いた者たちの証言もまた、これを裏付けているのだ。アザトースの従者たちは自由自在に形を変化させる不定形の神々で、アザトースが召喚された際に随伴し、撤去した後もその場にとどまるというクラウド・シングや、緑色の炎の姿をしたトゥールスチャなど、彼らのなかには名前が知られている者もいるのだ。」
亘理『ナイアーラトテップって』
悠「ニャルラトテップのことだな」
神姫「ちょっと、こっち向きなさいよ。さっきの挑発行為の話しが済んでないわよ」
悠「違うんです。事故何です」
神姫「何がよ」
悠「ボランティアしてて」
神姫「だからどうした」
悠「エイプリルフールだと勘違いして」
神姫「何の勘違いよ」
悠「弁護士に止められてて」
神姫「息の根をとめてやろうか」
千世子「いかに旧支配者たちの総帥とはいえ、あまりにも異質な存在であるアザトースから何らかの見返りを得ることは期待出来ず、よほどの狂人でもなければアザトースを崇拝するようなモノは存在しないのだ。数少ない例外が「暗黒の男」の姿をとったナイアーラトテップを導師に仰ぐアーカムの魔女たちで、かれらはアザトースの玉座まで赴いて契約の書物に血で署名し、新しい名前を与えられるのだ。」
摩耶「今のボケ片は新しかったね」
悠「おれもボケ幅広げてか無いとな」
雨「ツッコミと称してとんでもない一撃が来そうだけどね」
千世子「イギリスのグロウスターシャーにあるゴーツウッドという街には、シャッガイという惑星から飛来した昆虫型の生物が住んでいるが、彼らもまたアザトースを崇拝する種族なのだ。彼らの前に現れるアザトースの化身は、何対もの脚に支えられた二枚貝の姿をしているのだ。半開きの口からはポリプ状の器官のついたつつのようなモノが何本か伸びていて、貝殻の奥にはぬめるような黒光りする毛髪に覆われ、落ち窪んだ目のある口の無い顔が隠れているというのだ。以上、アザトースのじゅぎょーだったのだ。」