ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「神姫っていしゅみんとなかいいっけ?」

神姫「いしゅみん……?あぁ、弩躬?顔見知り程度ね。どうして?」

悠「なんか最近紅とつるんでるからちょっと気になって」

神姫「別になんら問題ないじゃない。それとも何?自分が中心にいないと居られない構ってちゃんの?」

悠「あれ、なんでおれ責められてるの?」

神姫「質問を質問で返すな。吹き飛ばすわよ」

悠「そこまでいわれちゃうんだ……。」

千世子「あんちん、ドンマイなのだ」

悠「おうよ……。」

【アザトース】
別表記:アザトース/アザート
登場作品:HPラヴクラフト「魔女の家の夢」

千世子「ビッグバンと呼ばれる時の始まりの大爆発以来、ひたすらに膨張を続ける大宇宙のグラウンドゼロ、窮極の混沌の最奥にある螺旋状の渦動としか表現しようのない奈落の底に、旧支配者たちの総帥アザトースが君臨しているのだ。泡立ち続ける不定形の黒い影として認識されるアザトースは、混沌の玉座に横たわり、分裂と収縮を繰り返しながら、意味をなさない不浄な言葉を吐き散らしているのだ。」

摩耶「悠君と柏さんが顔合わせても意味の無さない罵声の浴びせ合いをしてるよね。」

悠「違う違う。おれは呪い殺そうとしてるんだ」

亘理『色んな意味で危ない』

悠「柏死なねぇかなぁ」

神姫「向こうも同じような事いってるかもね」

千世子「アザトースがその王座から動くことはほとんどなく、宇宙のどこかに召喚された場合はナイアーラトテップを使者として遣わすか、さもなければさもなければ自らの身体と力の一部を切り離して送り出すのだ。」

亘理『アンパン男的な?』

悠「どこのアンパンヒーローが不浄の言葉を撒き散らして自分の身体と力の一部を切り離して爆発的に膨張するんだ」

神姫「あの顔って撃ち抜いても痛くは無いのかしら」

悠「顔だけなら某QB先生と同じで平気だろ」

摩耶「新しい頭か、新しいボディかの違いだね」

千世子「アザトースの分身もまた、爆発的に膨張する本体の性質を受け継いでいるので、その出現場所には大破壊がもたらされるのだ。イギリスの数学者ジェームズ・モリアーティが著した「小惑星の力学」によれば、火星と木星の間に帯状に広がるアステロイドベルトは、アザトーストの分身によってよって粉々に砕かれた中型の惑星の慣れの果てではないかといわれているのだ。また1908年にシベリアのポドカメンナヤ・ツングースカ川で起きた原因不明の大爆発は、アザトースの落とし子が降ってきたことで生じたのではないかとまことしやかにささやかれているのだ。」

摩耶「なぞの爆発なら……引き起こせそうな人らゴロゴロしてるけどね」

悠「……」

神姫「なに?」

悠「なんにもいってないじゃないですか?!」

千世子「盲目にして白痴の神と称されるアザトース。しかし「ネクロノミコン」をはじめとする禁断の書物には、かつてこの旧支配者が神と呼ばれるにふさわしい輝かしい知性を備えていることをほのめかす記述が、わずかな数ではあるが散見されているのだ。今日のじゅぎょーはここまでで続きは次回なのだ。」
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