ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ちぇきす」

亘理『あれ～髪結わってる』

悠「ふっ、腕から外しておけばパチンされる事も無いからなっ!!」

摩耶「侘しい抵抗だね」

悠「あのパチンッて地味に痛いんだよ……。」

雨「侘しい抵抗ね。あ、来た」

神姫「あら、珍しい結わってるの」

悠「まぁな」

神姫「ふーん。」

グィッ……グキッ!
悠「ふぎゃん!!」

神姫｢何か引っ張りたくなったわ｣

亘理『ダメージ増えてない?』

悠「……首はダメ、絶対」

千世子「はいはーい、じゅぎょーしますなのだ。」

【クトゥルー】
別表記:クトゥルフ/クルウルウ/ク･リトル･リトル
登場作品:HPラヴクラフト「クトゥルーの叫び声」

Ｑ子「今だれかクリトっていった?」

神姫「邪魔」

ピッ……バチンッ!!
Ｑ子「あぅんっ!で、誰が言ったの?」

悠「タフだコイツ?!」

神姫「ちっ……」

千世子「ゾス星系の緑の二重星をしはいしていたクトゥルーが、新天地である地球へと飛来したのは、火山活動によって南太平洋に新しい大陸が隆起した頃のことなのだ。このとき、眷族とよばれるクトゥルーの子孫たちと、「深きもの」などの奉仕種族たちがクトゥルーとともに地球にやってきたのだ。」

摩耶「龍剄って幽霊にも効果あるんだね」

悠「幽霊をプラズマ的エネルギーと捉えるなら風の圧をぶつけてるってことだから……くらうみたいだな」

神姫「でも、死なないみたいね。幽霊に死ぬっていうのもおかしいけど」

悠「殺す気でやったのか…」

千世子「眷属たちの多くは、彼らの指導者ほどには力を持たない落とし子と呼ばれるものだったが、クトゥルーがゾス星系の雌雄同体生命イダ＝ヤーとの間にもうけたガタノトーア、ゾス＝オムモグ、ユトグタ、クティラのような、旧支配者に名を連ねる強力な子供たちも含まれていたのだ。大司祭として彼らに君臨するクトゥルーは「大いなるクトゥルー」という尊称で呼ばれているのだ。」

亘理『???』

悠「亘理はキャパ超えしたみたいだな」

雨「私もだいぶ前に諦めたわ」

摩耶「僕もギリギリ」

千世子「クトゥルーの肉体は原形質状の無定形の塊りで構成されていて、実際にはどのような形でもとることが可能だが、通常は粘液質の鱗に覆われた緑色の体、鋭い鉤爪を備えた二本の腕、背中には蝙蝠に似た大きな翼をもつ、伝説上のドラゴンを髣髴させる形態をとっているのだ。楕円形の頭部の口にあたる部分では無数の触手が蠢くさまは、異形の蛸を思わせるのだ。」

亘理『イマイチ想像できない』

悠「デカイ蜥蜴のボディに蝙蝠の羽根を生やして頭にアンモナイト乗ってるのを想像しろ。緑色でぬるぬるのな」

亘理『きもちわるっ?!』

千世子「ドラゴンやクラーケンなど、巨大な怪物にまつわる伝説のルーツをたどると、太古の人類を支配したクトゥルーにたどり着くのかもしれないのだ。ケチュア＝アヤル族が崇拝した戦争の神ウィツィロポチトリアや、アステカ族の蛇神ケツアコアトルは、クトゥルーでは無いのかといわれているのだ。それにギリシア神話のヒュドラ、日本神話の八岐大蛇、九頭竜といった怪物は、クトゥルーの触手を誤認したものと考えられるのだ。つづきは次回なのだ。」

神姫「そんな宇宙怪物と九頭竜を一緒にされると腹立つわね」

悠「怒るなよ別にそれが真実じゃないんだから」