ー奇談ー學校へ行こう5

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「っで……夜からの人の入りも……」
カタカタ……

亘理『悠ちゃんは、アレ、なにしてるの?』

摩耶「コラム原稿の作成だよ。不定期だけど雑誌に連載持ってるんだよ。」

亘理『悠ちゃん、そんなこともしてるの?!』

千世子「あんちんはわりと多忙さんなのだ」

摩耶「そうかもねー。学生でしょー、茶屋の主人にぃー、コラムニストとぉー、喧嘩屋ぁー、街のご意見番。」

亘理『なんか凄い』

摩耶「それを総称してトラブルシューターなんだけど……」

神姫「ただの暇人よね」

摩耶「あは、そゆこと。もの好きともいう」

千世子「そんな言い方はダメなのだっ!」

悠「ほぼ正解だからいいんだよ」

摩耶「あ、聞こえてた?」

悠「そりゃこの距離ですからね」

神姫「仕事の邪魔したのは謝るわ」

悠「仕事ってほどじゃないからいいよ。もうすぐ終わるし」

千世子「どんなこと書いてるのだ?」

悠「ほとんどは美味い店とかの個人的意見と紹介だけど、他にも街で起こった事をかるーく流し読みできる程度に書いたりしてる。」

千世子「なんだか日記みたいなのだ」

悠「いっひゃひゃ、あってるあってる。おれの文なんてちょっと硬い書き方した日記と同じだ。よし、できたーっと」

摩耶「ソレ書いてるってことは……今月家賃ピンチ?」

悠「良く分かったな」

亘理『家賃?』

摩耶「新宿にもってるお店の家賃。悠君がコラム書いてる時ってソレの支払いが足りないときってパターンになってるから」

神姫「臨時収入を家賃に当てるってことは切羽詰まってるのね」

悠「閑古鳥の鳴く店で大飯ぐらいを雇ってるからな……。売り上げのほぼを喰われてる」

摩耶「だーけどっ?」

悠「あんな美味そうに喰われたら仕方ないよなぁ。」

摩耶「可愛いもんねぇ」

悠「そうなんだよ。何だかんだで美少女だからなぁー」

亘理『がるるるっ!』

悠「亘理さん、亘理さん、目が怖いです……。」

亘理『やっぱり女か!外で女ばっかりつくってるのかーっ!』

悠「誤解だっ!いや、確かに新は女ではあるけど、そーいうんじゃないっての!!」

亘理『あたしという者がありながらっー!もっー!!』

悠「確かに新に負けず劣らずナイスバディだが……」

亘理『この助べえ!!』

びゅっ!
悠「危なっ!!どないせいいうんじゃい!」

摩耶「あはは」

神姫「なかなかエグイことするわね」

摩耶「一種の愛情表現だよ」

千世子「愛情表現なのだ!?」

摩耶「愛はいろいろあるんだよ」

神姫「コレは違うけどね」
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