ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「さて、今日からは日本神話の武器のじゅぎょーなのだ」

【天羽々斬(アメノハバキリ)】
分類:剣、属性:炎/雷/神、特殊効果:‐
系統:日本神話、所持者:素戔嗚尊(スサノオノミコト)

悠「あ゛ー……漢字が多くてかき取りにくい」

摩耶「今まではカタカナ中心だったし……でも、漢字の方がかきやすいよ」

神姫「ミミズが這ったような字のくせに書くのが遅いのね」

悠「誰の字が天然の芸術だ」

雨「誰もいってない」

千世子「素戔嗚尊(スサノオノミコト)が八岐大蛇を倒した時に使用した巨大な両刃直刀なのだ。その剣自体がひとつの刀神であり、天之尾羽張(アメノオハバリ)と呼ばれることもあるのだ。」

悠「おれの尻ボールにも神が宿っている」

摩耶「それはなにかに取り憑かれてるパターンだね」

悠「これ以上はちょっと…」

亘理『私も憑いていい?』

悠「出られなくなるだろ…」

亘理『むぅーー!!』

千世子「「天」は神、「羽々」は大蛇を意味するので、天羽々斬とは、「大蛇を斬った神剣」の意なのだ。十握剣(とつかのつるぎ)とよばれることもあるが、これは「柄の部分が拳十個分の剣」という意味なのだ。つまり剣の形式名にすぎないのだ。なおこれは布都御魂剣(フツノミタマノツルギ)と混同されることが多いが、まったく別物なので注意なのだ。」

神姫「拳十個分て結構な長さよね」

悠「余裕で両手でもてるな」

神姫「当たり前でしょ……拳十個っていってるのにバカじゃないの」

悠「……」

摩耶「グッジョブ」

悠「そのひとこと間違ってね?」

摩耶「細かいことは気にしないで」

悠「……だなっ!」

雨「単純」

千世子「もともと天羽々斬は、日本国および伊邪那岐命(イザナギノミコト)の佩刀なのだ。しかしイザナギの妻である伊邪那美命(イザナミノミコト)は、火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)を出産したとき女陰を焼かれてしまい、それがもとで死亡したのだ。激怒したイザナギはカグツチを天羽々斬で切り殺し、その剣が息子であるスサノオに渡されたのだ」

Ｑ子「今女陰っていった?」

悠「即反応するよな本当に」

Ｑ子「天が呼ぶ地が呼ぶエロが呼ぶ!!エロいワードに即参上!!」

雨「およびじゃないっ!! 」

悠「くっ……おれが出しぬかれるなんて」

雨「なにに対して悔しがっている」

摩耶「グッジョブ」

神姫「それ……ブームなの?」

摩耶「使い方を間違って使いたい気分だったり」

神姫「摩耶も……ときどき分かんないキャラよね」

千世子「カグツチは炎の神であり、剣についたカグツチの血から建御雷神(タケミカヅチノカミ)が産まれていることから、そのときに天羽々斬に炎と雷の力が宿った、とする説もあるのだ。以上、天羽々斬のじゅぎょーだったのだ。」