ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「はぁー……雪が降ってるから帰りたくないなぁ」

亘理『泊まってく?』

悠「いくら暖かくたって床寝はきついって」

義鷹「休憩所のコタツならどうだ」

悠「あー……ありだな」

摩耶「風邪ひくよ」

神姫「引かないわよ。悠は馬鹿だもん」

悠「素敵なフォローをありがとう」

神姫「どういたしまして」

悠「……話しは変わるけどさ」

義鷹「あ?」

悠「義鷹たちは夢見長屋に帰ってるのか?」

義鷹「バラバラだ。美兎なんかは良く帰ってるが亘理や娯楽はここから離れられねぇだろ。メフィストはここに居るのが多いが、昼間は教師してるし……雨はどっかでぶら下がってんじゃねーか」

雨「私だけそのまんま虫扱いか!」

義鷹「虫だろ」

雨「この猫鶏が…」

悠「ケンカやめれってどう考えても雨のが分が悪いし……っか、実際はどうなんだ?」

雨「私は旧校舎側にいってる」

悠「旧校舎……あー!どこだ?」

雨「なんで一瞬分かったようなそぶりした……ここの校舎の裏手奥にある校舎よ。大きくは無いけどね」

義鷹「……」

悠「義鷹、なんで微妙な顔してるんだ?」

義鷹「別に」

雨「義鷹はあっちの連中がそんなに好きじゃないのよ」

悠「あっちの?」

冥「旧校舎の住人ナ」

悠「管理人ちゃん」

摩耶「他にも妖怪が居るの?」

冥「もちろん、ここは来るものは拒まずなのナ。」

義鷹「けっ」

悠「見たこと無いんだが」

冥「……ニャは」

悠「えーなにその誤魔化し笑い」

冥「そのあっちの人らは変わってるっていうかなんというか……ナ」

悠「亘理だって十二分に変わってて面白いぞ」

亘理『どーいう意味!!』

義鷹「そーいう意味だろ」

亘理『がるる!』

義鷹「きしゃー!」

悠「……やっぱり十分面白いと思うけど」

冥「悠ちゃんが行きたいならいってもいいナ」

悠「危なくは無いんだろ?」

冥「危なくは無いナ。危なくは……」

悠「あのハキハキした管理人ちゃんの語末がどんどん小さくなっている」

摩耶「面白そうだね。僕もついていっていいかな」

亘理『私も……っていうか、私いけるの?』

冥「同じ校舎内だからきっと大丈夫ナ」

義鷹「俺はいかないからな」

神姫「私も帰るわ雪が本積りする夜道なんて歩きたくないし」

悠「……」

摩耶「悠君が雪の事を思い出してテンションダウンした」

亘理『本当に寒さに対してメンタル弱いねぇ』

悠「管理人ちゃん、いっしょに行かない?」

冥「寒いから遠慮うするナ」

悠「残念……抱っこしていこうと思ったのに」

雨「あたしはどっちでもいいわよ」

悠「じゃ、行くか摩耶、亘理」

摩耶「おー」

亘理『おー』

雨「……私も行くわよ!!もーー!」
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