ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ほれ、ドラクエセブン買ってきたぞ」

亘理『悠ちゃん、さんきゅー!!はい、お金ね』

悠「へいへい」

摩耶「……亘理ちゃんてどうやってお金手にしてるの?」

義鷹「肝試しとか侵入してくる馬鹿なガキを家鳴りが驚かして金を抜いてんだよ」

摩耶「なるほど、見学料だね」

義鷹「……そうだな。」

千世子「じゅぎょーしまーす。」

【アレクサンダー大王の剣】
分類:剣、属性:‐、特殊効果:‐
系統:ギリシア神話、所持者:アレクサンドロス三世

神姫「ふぁ…。」

雨「あら、眠たそうね?」

神姫「大学のレポートでね……。」

雨「へぇ、専門は?」

神姫「地理学よ。とりあえず博士号目標。」

千世子「アレクサンドロス三世が所持していた剣のことなのだ。ちなみにアレクサンドロス三世とは、いわゆるアレクサンダー大王のことなのだ。」

雨「……そんな人間がこんなところに来てていいの?」

神姫「私は一流よ?レポートなんて昨日で終わったわ」

雨「へぇ、そう」

神姫「それに民俗学や考古学の選考もしてあるからこの授業も役に立つのよ。少しはね」

千世子「この剣が有名になったのは紀元前333年、イッソスの戦いがあった年のことなのだ。アレクサンドロス三世はペルシア配下のリュディア王国の首都ゴルディオンを占拠するのだ。」

亘理『ドラクエって序盤の謎解きめんどいよね』

悠「テイルズのラスダンよりマシだろ」

摩耶「ループ系がイラっとする」

千世子「その街にある神殿には、一台の戦車(馬にひかせるタイプの物。タンクではなくチャリオット)が非常に複雑な形に結ばれた縄で台座に固定され、ご神体として祀られていたのだ。新刊は「この縄を解くことができたものがアジアの支配主になる、というのが神殿の主ゼウスの意思である」と語ったのだ。」

亘理『いって戻って、いってもどって……めんどくさい』

悠「RPGの序盤なんてそれが基本だろ」

摩耶「往復とおつかいね」

亘理『初めからジャンジャンバリバリモンスター倒したいのに』

摩耶「序盤でレベル上げすぎると職業レベルあげにくくなるよ」

悠「まず目指すはカジノだろ」

千世子「するとアレクサンドロスは即座に剣を抜き、縄の結び目を両断。そして驚く神官に対し「運命は伝説によってもたらされるものではなく、剣によって切り開くものだ!」と答えたというのだ。アレクサンダー大王の剣は、まさしく運命を斬った剣なのだ。」

摩耶「入り浸ってそうだよね」

悠「中盤にあるまじき装備で斬り込むぜ」

亘理『性質悪』

千世子「アレクサンドロスにまつわる伝説は多いのだ。たとえば彼は、瞳の色が左右で異なるオッドアイの持ち主だったのだ。また哲人アリストテレスを家庭教師にしていたというのだ。18歳のとき、父親フィリッポス二世にしたがってギリシア本土に侵入し、カイロネイアの戦いでアテナイ(アテネ)・テーバイ連合軍を撃破。それから間もなく父が暗殺されたため、20歳でマケドニアの王として即位しているのだ。以上アレクサンダー大王の剣のじゅぎょーだったのだ」
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