ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「今日からはキリスト教の幻想武器に入るのだ。」

【アスカロン】
分類:聖剣、属性:聖/龍殺し、特殊効果:‐
系統:聖人伝説、所持者:ゲオルギウス

悠「神の飼い犬が」

摩耶「ソレ系の単語がでるたびにヘルシングネタに結びつけるのは良くないよ?」

悠「我等神罰代行の……」

神姫「神罰……喰らいたいの?」

悠「いえ。なんか、スイマセン」

亘理『カッコ悪?!』

千世子「パレスチナ地方に出現したドラゴンを倒した際に使用された剣なのだ。所持者ゲオルギウスとは、三世紀にカッパドキア(現トルコ南部)にうまれた、後にイングランドの守護聖人とされ、「聖ジョージ」と呼ばれるようになった人物なのだ。」

悠「おれは勝つより、上手く逃げる方法を得意とする人間だ」

亘理『増してカッコ悪い』

悠「その考えは捨てなさい。イキがって死ぬよりナメられて馬鹿にされても逃げ切って生き延びることさ」

摩耶「悠君は反撃タイプだからね。血反吐はいてからが本番」

悠「その時点でおれ逃げれて無いよね。既に瀕死」

千世子「その活躍を伝えた「黄金伝説」によると、ゲオルギウスは竜に致命傷を負わせた後、生贄となっていた王女(名前の表記は無い)の帯を首に巻き付け、竜と王女を街へと連れて行っているのだ。そして怯える街の人たちに対して「キリスト教の信仰を受け入れるなら、竜にトドメを刺す」と呼び、王と市民が争って洗礼を受けたのを確認してから、剣を抜いて竜を殺した、とされているのだ。」

雨「ていのいい脅しよね」

悠「信じる者は救われる。っていうけど、実際は信じる者は儲かるだよな」

摩耶「宗教はグレーゾーンだからね」

義鷹「坊主は生臭くて喰えねェしな」

悠「義鷹がいうと普通に怖い」

千世子「ここで致命傷を与えた武器は槍であると書かれていて、トドメを刺した剣(Gladio)の名前は明記されていないのだ。ただしGladioという綴りから、グラディウス系の片手剣だったのではないかと推測されているのだ。」

悠「グラディウスって聞くとシューティングが思い浮かぶのはおれだけかな」

摩耶「パロディウスのが好き」

神姫「超兄貴」

悠「まさか、ソレを出してきおったか…。」

千世子「ところが16世紀に末に書かれたリチャード・ジョンソンの「キリスト教圏の七勇士」においてゲオルギウスの剣はフォールション(ファルシオン。片刃の曲刀)という名前が「アスカロン」だったと明記されたのだ。竜の生贄になった王女「サブラ」という名前が与えられ、さらにはリディアの鋼で作られた鎧や、のり手を無敵化する馬ベイヤードなど、彼を育てた魔女からの贈り物を装備していたと記されているのだ。」

悠「ラオウが乗ってたりしたら更に無敵だろうな」

摩耶「ラオウ自体が無敵だけどね。」

神姫「乗り手が無敵でも馬は関係ないんだから、馬を狙えばいいのよ」

揺光【将を射るなら、馬からじゃな】

千世子「この本によれば、ドラゴンは肩から尾までが50フィートあり、全体が銀色、腹の鱗は金色だったとされたのだ。まだゲオルギウスは槍で立ち向かったが、竜の身体に当たった瞬間に砕けてしまい、とっさに「すべてのダメージが魔力のあるオレンジの樹に隠れ、アスカロンを抜いて竜の腹部を中心に攻め、最後に首を切ってトドメを刺した」とされているのだ。以上、アスカロンのじゅぎょーだったのだ。」
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