ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「♪～♪」

摩耶「ほい、王手」

義鷹「がぁ……」

亘理『悠ちゃん、なに聞いてるの?』

悠「般若心経」

亘理『なんで?!』

千世子「今日は折れない剣のじゅぎょーなのだ」

【デュランダル】
分類:聖剣、属性:‐、特殊効果:‐、
系統:ローランの歌他、所持者:ローラン

神姫「でも、折れないって何かレベルとしては低いわよね」

揺光【得物の耐久は使用者の腕次第よのぅ】

亘理『なんでお経聴いてんの?』

悠「冗談だ。ジョジョ2のOP、Bloody Streamをエンドレスに聴いてる」

亘理『ジョジョ好きだねー。』

千世子「シャルルマーニュ配下の十二の騎士の筆頭であったローランが所持した両刃の片手剣なのだ。」

義鷹「あ゛ー……負けた」

摩耶「じゃあ、牙ちょうだい」

義鷹「牙か……」

ググッ……ブチっ!

雨「なに、普通にエグイやり取りしてるのよ…。」

千世子「ローランの歌には、この剣の本体に関する形状はなく、これがローランの剣であるという以外にめぼしい記述はないのだ。かろうじて、敵の大軍との戦いで十二人の騎士がことごとく討死にし、自らも討死にを覚悟したローランが「敵の手に渡すのは忍びない」として大理石に叩きつけて折ろうとしたところ、折れずに大理石の方が斬れてしまったという記述がある程度なのだ。」

摩耶「義鷹が何か賭けた方がやる気出るっていうから……今のところ牙、爪、鱗、羽根……」

雨「パーツコレクターか!」

義鷹「段々と痛い部位になってんだよな…」

雨「ちなみにアンタは何賭けてるの?」

摩耶「髪をひと束」

雨「アンタらの賭け内容が怖い…。」

千世子「しかし他の文献では、柄は黄金で水晶が埋め込まれていて、その見事な姿とは裏腹にすさまじい威力を誇り、大理石に叩きつけても傷一つつかなかったと記されているのだ。また、柄の部分に各種の聖遺物(聖者の歯や遺髪など)が収められていたとも言われてるのだ。」

悠「っか……義鷹の部位って正体不明物質の塊りだけど大丈夫なのか?」

義鷹「正体は魚の鱗、鰐の牙、鶏の羽、猫の爪だ。まぁ、それを一体にしたのが俺だから正体は不明だがな。ギャハハ」

摩耶「大きさは特大」

亘理『これどーするの?』

摩耶「アンティークに良いかなって」

千世子「そしてルネサンス期に成立した「シャルルマーニュ伝説」の所説話で、ドゥリンダナ(イタリア語読み)と呼ばれるようになったこの剣は、ローラン自身の武勇の象徴として重要な役割を果たすことになるのだったのだ。」

悠「アンティークってより、魔よけかな」

亘理『むしろ呪われそう?』

義鷹「うっせーよ」

摩耶「アクセとかにしようかな」

雨「神経図太いわね…。」

千世子「デュランダルのルーツにはいくつもの説があるのだ。ひとつは、シャルルマーニュがフランク王に即位したばかりの頃、ローランの前に天使が現れて「王にこの剣を授けよ」と剣を渡すのだが、シャルルマー二ュは「汝はこの剣を使って我を助けるがよい」といってローランに与えたとする説なのだ。」

悠「あ、いいな。おれも歯とか貰おうかな」

義鷹「お前なぁ、痛いのは痛いんだからな」

千世子「もうひとつは、デュランダルは妖精が鍛えた剣であり、ローランがユトムンダスという巨人と対決した時に入手したもの等あるのだ。以上、デュランダルのじゅぎょーだったのだ。」