ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

亘理『いやー……暖かいって良いね』

悠「昨日のぼせた奴が今日にはもうこれだからな」

摩耶「その中でも暖房に一番の実感を受けてるのが悠君だけどね」

悠「まぁな。」

雨「私も寒いのはキツイから本当に良いわ」

悠「虫は冷気と火に弱いからな」

雨「そういうけど、人間だって火を当てられたりして平気なわけ?」

悠「いえ、平気じゃないです。やっちゃダメです」

摩耶「改造ライターで火炎放射するひともいるけどね」

千世子「火遊びは危ないのだ。」

【レーヴァティン】
分類:魔剣、属性:炎、特殊効果:‐
系統:北欧神話、所持者:スルト

悠「この話しの流れでレバ剣かよ」

千世子「「神々の黄昏」(ラグナロク)という名の最終戦争において、世界樹ユグドラシル、そして世界すら焼きつくしてしまう剣なのだ。」

揺光【妾だってその気になれば凡てを灰塵に帰す炎を造れるぞ】

悠「はいはい、チートチート」

揺光【……】
コォォォ!

悠「揺光はやっぱすっげぇなぁ!!だから、おれの後ろで何かとんでもない物を出すのやめてください!!」

義鷹「大丈夫だ。真紫の火の玉が産まれてるだけだ」

悠「大丈夫の要素ゼロ!怖くて振りむけない!!」

千世子「この剣の所持者は、炎の国ムスペルヘイムに住む、炎の巨人(ムスペル)たちの主スルトなのだ。多くの神々や巨人たちがその命を失うなか、スルトはレーヴァティンを持ち、魔犬ガルムを伴って虹の橋ビフロストを渡り、アスガルドの神フレイと決戦。そこでフレイを屠るのだ。フレイはひとりでに敵を倒し、所持者を必ず勝利させる「勝利の剣」を持っていたが、妻を娶る時に御供の者に貸してしまっていたので、スルトによって倒されたのだ。」

揺光【振り向いても善いぞ】

悠「断固断る!」

摩耶「それ禍々しいけどやっぱり危ないの?」

揺光【見た目はこんなじゃが、触れたものを腐食させるだけの炎じゃ】

悠「見た目通りじゃねーか!!速く消せ!」

揺光【ふっ……】

ぽしゅっ!

千世子「レーヴァティンは「害なす杖、枝」という意味なのだ。北欧神話の武器名によく出てくる「テイン」は「枝、杖」などの意であり、北欧では、災いの名によく使われているのだ。ひとりでに空を飛んで敵を倒すといわれることもあるが、基本的には炎の剣である事以外に特殊な能力は無いのだ。」

悠「あー、背中にいやな汗かいた」

亘理『つー…』

悠「っ……指でさするなっ!」

千世子「ただし、七世界を結ぶ世界樹を燃やし、そのまま世界を焼き尽くす剣だとされているので、人間が扱う聖剣や魔剣とはケタが違うのだ。」

摩耶「まさに魔剣だね」

悠「多分ATK屋19998を何体も搭載してんだろうな」

神姫「でも、火属性吸収、または無効つけてたらいい訳よね」

悠「無効や吸収できるキャパ超えてね?」

千世子「レーヴァティンをを鍛えたのは、氷の国ニヴルヘイムの門番であり、霧の巨人族(ヨトゥン)の血を引くロキなのだ。ロキはルーンを唱えながら剣を鍛えたというのだ。出来上がった後、レーヴァティンはレーギャルン(絶望の意)という名の箱に納められ、九つの鍵がかけられ、スルトの妻シンマラに預けられたのだ。」

亘理『不用心すぎない?』

悠「∞ループるけどな」

亘理『どゆこと?』

千世子「しかし、シンマラの家の前には二頭の番犬がおり、その犬の気をそらせてレーヴァティンを手にするには、世界樹ユグドラシルの頂上にいる雄鶏ヴィドプニルの羽根が必要なのだ。しかし、ヴィドプニルを仕留めるためにはレーヴァティンが必要なのだ。つまり、そこには堂々巡りの罠が仕掛けられているのだ。以上、レーヴァティンのじゅぎょーだったのだ。」
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