ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「亘理ちゃんの介抱はあんちんに任せてじゅぎょーしますのだ」

【ミョルニル】
分類:槌、属性:雷/龍殺し、特殊効果:必中/帰還契約
系統:北欧神話、所持者:トール

悠「任せてって……とりあえず扇いどくか」
ジャギン!!

摩耶「鉄扇で扇ぐんだね」

悠「このくらいしか扇ぐものがないんだ」

雨「常に鉄扇所持してるのがおかしいけどね」

千世子「アース神族の中で最も力があり、元々は主神だったトールが操る魔法のハンマーなのだ。掲げるだけで雷を起こし、敵に向かって投げつければ必ず命中し、相手を一撃で砕き、自動的にトールの元へ戻ってくる機能をもつのだ。グングニルも同様の機能を持つので、ミョルニルも同じルーン文字が刻まれてるのかも知れないのだ。」

揺光【しかし、なかなか善い御身分じゃな。】

亘理『ぷしゅー…』

悠「お前はもうちょっと全体のことを考えてからやれよ」

揺光【皆暖かいじゃろ。こやつのがだらしないんじゃよ】

悠「まー、確かに暖かいけどな……」

千世子「ミョルニルは「打ち砕くもの」を意味する言葉なのだ。果てしなく重かったため、鉄の手袋(イルアン・グライベル)をはめて、四肢の力を増幅させる帯び(メギンギョルズ)を締めたトールと、その息子でトール以上の怪力マグニにしか扱えなかったのだ。」

悠「あ、そうだ話しは変わるけど幽霊を見る方法ってないか?」

揺光【妾を連れておれ】

悠「おれ単体では?」

揺光【お主は霊力零で鈍感じゃから難しいのぅ】

悠「誰が鈍感だ」

「「「「【お前(悠)だ】」」」」

悠「満場一致で失礼だなお前ら。あと、盗み聞きしてんなよ」

千世子「なお、ミョルニルは大きさを自由に変えられるという能力もあったようなのだ。さらにトールの戦車を引く二頭の山羊タングリスニとタングニョーストが、たとえ骨と皮だけになっても、ニョルニルをふるだけで蘇らせることができたというのだ。」

揺光【確実とはいえぬが「狐窓」で覗けば見えるかも知れぬぞ】

悠「狐窓?」

揺光【手をこうしてこう……っで、ここを覗くと見えぬものが見えたり、正体を見ることができるじゃ】

悠「ふーん……」

摩耶「義鷹みたらどうなるの?」

義鷹「きひひ、俺の正体見たら目ん玉潰れちまうぜ」

千世子「トールはミョルニルを使い、フルングニル、スリュム、ゲイルレズなどの多数の巨人を一撃で倒したが、ラグナロクにいる巨蛇ヨルムンガンドを仕留めるときは三撃を要しているのだ。しかも最後に毒の息を吐かれて、九歩後退して絶命しているのだ。」

亘理『ん、んん……?』

悠「あ、起きたか」

亘理『あれ……あたし?』

悠「のぼせて落ちてきたんだよ。大丈夫か?」

亘理『うぅ……頭ぐわんぐわんしてる…』

悠「ま、もう少し寝てろ。」

千世子「なお、ミョルニルを作ったのは、ブロックとエイトリ(シンドリ)というドワーフなのだ。グングニルを見せ、「これより凄い物をが作れるか」と挑発して作らせたといわれているのだ。ただし、ロキの悪戯により製作は途中で中断され、柄が短くなってしまったのだ。以上ミョルニルのじゅぎょーだったのだ。」

亘理『……あれ、なんでブラホックはずれてんの?』

悠「ああ、外した。ついでにジッパーも全部ゆるめてるから起きるなら絞めとかないと恥ずかしいことになるぞ」

亘理『い、今がはずかちぃよっ///』

ガコッ!
悠「後頭部に黒板消しっ!!」
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