ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「うーん……」

千世子「はーい、ちゃんと頑張って解いてくださいなのだ。解くまで帰っちゃダメなのだ」

悠「へいへい…」

義鷹「お前は残ってんのか。他の奴らは帰ったのに」

摩耶「うん。このあといっしょにご飯食べに行こうと思ってる」

悠「セガールの出演映画15本の名前を書いていけの問題が難しいな……」

義鷹「なんのテストなんだか…」

摩耶「教養?」

亘理『悠ちゃん。』

悠「あー?」

亘理『キルシュ好き?』

悠「あー……嫌いじゃない。けど日本酒のがいいな」

千世子「キルシュって……マジカルバケーションなのだ?」

摩耶「アドヴァンスだね。懐かしい……」

悠「キルシュヴァッサーにダークチェリーを浸漬させて作る蒸留酒。要はリキュールだ……えーと、沈黙の聖戦、沈黙のテロリスト、沈黙の標的、沈黙の陰謀、沈黙の断崖、エグゼクティブ・デシジョン、グリマーマン、暴走特急、沈黙の要塞、沈黙の戦艦、アウト・フォー・ジャスティス、ハード・トゥ・キル、死の標的、刑事ニコ、法の死角っと」

義鷹「本当に15答えやがったぞ」

摩耶「アレで映画好きだからね」

悠「次は……」

千世子「なんで、お酒の話ししたのだ?」

亘理『え、えーと、バレンタインに何かつくろかなーって……チラ』

義鷹「そういやお前チョコ嫌いらしいな」

悠「好きとか嫌いとか以前に無理。」

亘理『じゃあ何が良いのさっ!!』

悠「あー?なにが?」

摩耶「なにが凄いってバレンタインの話題出てて何がと素で聞くところ。なかなか居ないよこういう生き物」

義鷹「きひひ。見てておもしれぇよ」

美兎「おーす。何人かいるわね」

義鷹「なんだ?」

美兎「ストレス解消に飲茶作ったから食え」

ガラガラ…

千世子「台車で運ばれてきたのだ?!」

悠「お、美味そう」

摩耶「いただきまーす」

亘理『嘘だ……目のまえに嘘が広がっていく…』

美兎「失礼な。バランスとか考えずに量だけだしゃ、これぐらいは誰でも作れる」

悠「っても、全然美味いぞ」

亘理『!?』

義鷹「あり合わせと即席で出来るもんばっかだ」

美兎「失礼な!」

摩耶「でも、料理ができる女の人って良いよね」

美兎「え?料理って人間の女の基本スキルなんじゃないの?そーおもって勉強したのに」

亘理『?!』

義鷹「うまいメシ喰わしてもらえねぇ子供は不幸だからな~~~」

亘理『?!!っ……きゃーーー!』

美兎「な、なによ?」

亘理『あーもー美味しいのーー!もーー!』

美兎「は?」

摩耶「あはは。」

千世子「あんちんはどう思うのだ?」

悠「あー?下手なら作らなきゃいいんじゃね。」

亘理『ガーン……』

摩耶「ちなみに今のは訳すと「別に料理できなきゃおれが作る」ってなるんだよ」

義鷹「難しいな」

美兎「あと、亘理には聞こえてないわね」
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