ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「今日もあんちんと揺光さんはお休みと……」

摩耶「何してるかしってる?」

悠(女)「いや、全然。夜中には帰って寝てるから遊んでるんだろ。」

亘理『悠ちゃんて普段どんな感じなの』

悠(女)「だらしない」

神姫「自分の事いってるっていい加減覚えなさいよ」

悠(女)「あーしはだらしなくないもん」

千世子「はーい。しせゃ、バルムンクのじゅぎょーの続きなのだ。ジークフリードがバルムンクをふるうと、それはファーヴニルの鱗を突き破り、心臓を貫いたのだ。さらに返り血を浴びて、ジークフリードは刃物の通らない不死身の身体と、鳥や動物の言葉を理解する力を持つ英雄になるのだ。その力によりミーメが宝とジークフリードの命を奪おうとしていたことを知り、バルムンクでミーメを斬るのだったのだ。」

雨「今日は中華服?」

悠(女)「スカートは冷えると実感したのさ。トイレが近くなる」

雨「頻尿なだけじゃない?」

悠(女)「誰が頻尿だ。」

千世子「なお、ファーヴニルを倒したとき、ジークフリードの背中には一枚の月桂樹の葉が張りついていたため、そこだけが竜の血に浸ることがなかったのだ。そして、ここがジークフリードの急所となったのだ。」

義鷹「不死身ってより鉄壁なだけだな」

悠(女)「しかし、こういう話し聞いてるとヴァルキリープロファイルしたくなる」

亘理『死の先を往く者たちよ!』

摩耶「ドラゴンキラーが一回でパキッたときの虚しが……」

悠(女)「あーしはオーディンの評価がボコボコ下がったのが印象的だわさ」

摩耶「アイテム献上しないからだよ」

千世子「さらに名声をあげるため、ブルグンドにいったジークフリードは、そこで王グンターの妹グートルーネ(クリームヒルト)に恋をするのだ。そして交際を認めてもらうため、グンダーの依頼を聞くことになったのだ。そこでグンダーは、自分がアイスランドの女王ブリュンヒルドと結婚できるよう、ジークフリードに依頼するのだ。」

悠(女)「アイテムは自己利用主義です」

亘理『RPG系って結局「こうげき」コマンドいったくになるのは気のせいかな』

摩耶「ジョブをモンクオンリーチームにしたりね」

雨「物理無効がでてきたら瞬殺されそうなパーティね」

千世子「じつをいうと、ブリュンヒルドとジークフリードは、もともと恋仲だった。しかしグートルーネのホレ薬により、ジークフリードはその記憶を消されていたのだ。つまり、真に恋に落ちたのは、ジークフリードでは無くグートルーネの方だったという訳なのだ。」

亘理『横取りぢゃん!』

悠(女)「手段はえらばんだな」

摩耶「よろしい、ならば戦争だ」

悠(女)「デブの少佐か……。」

千世子「ブリュンヒルドは、主神オーディンに背き、ワルキューレの神力を削がれてまでもジークフリードとの愛を遂げたいと願っていたのだ。彼女はジークフリード以外の男性と結ばれるつもりはなく、そこでジークフリードにしかできない難題を出し、ソレができた男と結婚すると、グンダーの求婚を断ったのだ。ところが記憶を消されたジークフリードの助けにより、グンダーは難題を達成。ブリュンヒルトはグンダーと結婚させられてしまうのだ。こうしてグンダーの依頼を成し遂げたジークフリードは、グートルーネと結婚。ブリュンヒルドは悲願にくれることになったのだ。」

亘理『うぇーん』

悠(女)「いや、物語で泣くなよ」

亘理『こんなの間違ってるよ!愛とか恋ってもっと純粋なものでしょ』

悠(女)「いやいや、もっとドロドロでぐちゃぐちゃだ」

亘理『ちーがーうー!!』

千世子「しかし、あるとき、ブリュンヒルドとグートルーネの間で夫を自慢し合うことがあった。そこでブリュンヒルドは、グンダーが自分の難題を解いたからくりを、グートルーネの口から知らされるのだ。怒りと嘆きに染められたブリュンヒルトは、ジークフリード暗殺を計画。重臣ハーゲンにジークフリードの弱点である背中を槍で刺させたのだ。そしてジークフリードが火葬される炎のなか、自らも飛び込んだのだ。以上、バルムンクのじゅぎょーだったのだ。」
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