ー奇談ー學校へ行こう4

ー壱階休憩所ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

揺光【さぁーて、帰ろうか……ん?】

後楽「ぷはー……葉巻もけっこうイケんな」

娯楽「それでも煙管が一番や」

揺光【なんじゃ、腐れ狸と腐れ爺が揃って】

後楽「おいおい、俺が腐れ狸ならほぼ同い年のお前さんは腐れきつ…」

スコーンっ!

揺光【やかましい。殴るぞ】

後楽「既におじさんの額に簪(かんざし)がぶっすりと突き刺さってるけどね」

娯楽「キャンキャンやかましいのぅ。これだから犬科は」

揺光【死に損いが喧嘩を売っとるのか】

娯楽「なんじゃい」

ドン!!

【「「!?」」】

冥「お茶はいりましたのナ。あ・と・喧嘩は……しちゃいけませんのナ。」

揺光【ふむ、確かにここで暴れるのは行かんな。詫びをいう】

娯楽「狐の毛皮を手に入れ損ねた」

後楽「今日の茶うけはなんかな?」

冥「悠ちゃんお手製の栗大福ナ♪」

後楽「ほー」

揺光【そういえば貴様はなんで此処に居る?】

後楽「いやー兄ちゃんがよぉ。どっからか座敷童子なんて連れてくるから居ずらくてなぁ。」

揺光【なるほど、なるほど、中から浄化されたか。コンコン♪】

後楽「まだ、兄ちゃんには取り憑いてるがな。夕飯は喰いに行くし」

揺光【しつこい奴じゃ】

後楽「もったいねぇだろ。あんないい物件他にはねぇし」

揺光【ちっ、こんなことなら妾が憑いとくんじゃった】

後楽「無理無理。お前さんみたいに完全なのは魅了(とりこむ)ならまだしも、取り憑くなんてのは性に合わんのさ」

揺光【えぇい、知ったような口を聞きおって】

冥「アムアム…アムアム…」

娯楽「あんま、慌てて食いよったら喉詰めんぞ子猫」

美兎「あれ~、お茶してんのなら呼んでよ」

亘理『よっと、華麗に着地!』

後楽「おじさんのお膝に座んなよ。」

美兎「断固拒否する。」

後楽「亘理ちゃんは?」

亘理『嫌』

義鷹「ちょっと出かけてくる」

美兎「何処行くの」

義鷹「散歩だ」

美兎「あそっ。気つけて」

義鷹「あー…」

亘理『二人ってラヴいよね~。分かり合ってるって感じ』

美兎「何百年と一緒に居れば嫌でも解るわよ。」

亘理『ほへー』

後楽「どうだい、亘理ちゃんもおじさんの事を色々とわかってみないか?」

亘理『私もいつか悠ちゃんと……えへ、えへへ~//』

後楽「ダメだ。聞いて無いわこりゃ。」

揺光【聞いても損なことじゃしな。ズズっ…うむ、いい塩梅じゃ。】

冥「ありがとうございますニャ♪」
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