ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「……」

亘理『難しい顔してどーした?』

悠「ん、あぁ……ちょっと、考え事」

亘理『相談ならのるよ?』

悠「大したことじゃないよ。ありがと」

ポンポン…
亘理『え、いゃへへ、でへへ//』

悠「大丈夫か?顔気持ち悪いぞ」

亘理『きもっ……コラーーっ!乙女になにいうんじゃー!あげて落とすなばかぁー!』

悠「えぇ……。なんで…。」

摩耶「判定お願いします」

雨「デリカシー無し」

義鷹「オモロイ」

神姫「死ね」

悠「何の判定?!そして酷評!!」

千世子「あんちんはもーちょっと違うことも勉強するべきなのだ。」

【バルムンク】
別名:グラム、ノートゥング、分類:剣、属性:神/竜殺し
系統:北欧神話、所持者:ジークフリード、シグルド

悠「なんかいったかピヨスケ」

亘理『チヨちゃんに絡むなー!』

千世子「ネーデルラントの王子、英雄ジークフリードが魔竜ファーヴニルを倒すときに使った全長2メートルの大剣なのだ。」

悠「いででで!!噛むな!頭噛むな!」

亘理『がぅー!』

悠「ったく、なんであんな怒ってるんだ」

摩耶「ノーコメント」

義鷹「腹でも減ってるんだろ」

悠「あー、なるほど」

雨「食われてしまえ」

千世子「「二―ベルゲンの歌」では「黄金の柄には青い宝石が埋め込まれ、鞘は金色の打紐で巻きあげた宝剣」とされているのだ。大きさだけで無く切れ味もすさまじく、剣を鍛える金床(鉄の台)を、その上に置かれた別の剣もろとも真っ二つにしたほどなのだ。」

悠「しかし、今日は残念なことに飴くらいしか持ってないんだよな。喰う?」

亘理『いらないし!』

悠「まぁ、確かに腹減ってる時に飴はキツイか……のど飴だし」

摩耶「今日の悠君のってるなぁ~」

雨「デリカシーの無さ加減?それとも思ってることを平然と口にする神経の図太さ?」

摩耶「両方。でも、そういう所が良いんだよね」

ポンっ
亘理『なぁーーっ///』

悠「……右耳から左耳に声が貫いていった……すげぇいま脳の中でハウリングしてる。」

義鷹「声が聞こえてりゃあ。破けては無いだろ」

亘理『摩耶くん、摩耶くん!まーやーくーん//!!』

摩耶「あはは。」

千世子「また、神話においては鉄よりも硬いとされている竜の鱗を、一撃のもとに貫いている。北欧神話ではグラム、「二―ベルングの指輪」ではノートゥングに相当する剣なのだ。」


悠「あー、マジで耳がキュンキュンいってる」

神姫「キュンキュンってなによ」

悠「……きゅーん、きゅーん、きゅーん、きゅーん、私の彼はパイロット~」

神姫「……」

悠「はい、ごめんなさい。せめて熱気バサラにすべきでした」

雨「いっぺん耳から脳かきだしたらいいんじゃない?」

悠「そんな古代エジプトのミイラ作成じゃあるまい……勘弁してください」

神姫「この豚野郎」

悠「まさかのただの暴言?!」

千世子「なお、オーディンが真の勇者を見いだすためにトネリコの樹(リンゴの樹という説もある)にバルムンクを突き刺し、これを引き抜いたものを王と認める!としてジークムントを見出した説もあるのだ。ここはアーサー王伝説との共通性も感じられるのだ。今日はここまでで、続きは次回なのだ」
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