ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「あんちん、摩耶君、サボりは良くありませんなのだ!」

悠「へーい、サーセン」

摩耶「ごめんなさい、悠君にそそのかされて…」

悠「あれー?まーやーくーん?!」

千世子「あんちんはそーいうことしちゃいけませんなのだっ!!」

悠「えぇ…」

摩耶「あはは」

千世子「はい、それじゃあ、今日のじゅぎょーしますのだ。」

【トライデント】
分類:銛、属性:神/水、特殊効果:‐
系統:ギリシア神話、所持者:ポセイドン

悠「酷いぞ摩耶」

摩耶「ごめんね。なんか最近僕を性格悪いキャラでいってる風潮があるからのっとかないといけないと思って」

悠「摩耶の性格が悪いわけなんて無いっ!」

神姫「なんかの宗教にハマってるの?」

摩耶「まだ御布施とかは貰って無いし、貰う気も無いから」

千世子「ギリシア神話における海をつかさどる神・ポセイドンが持つ三つ又の銛(「トライ」とはラテン語で「3」の意)。ポセイドンはトライデントをふるうことにより、嵐や津波、洪水を引き起こし、その神威をあらわしたといわれるのだ。」

亘理『昨日なにしてたの?』

揺光【二人でしっぽりと絡みあってたのじゃ】

摩耶「あ、僕ノーマルだから」

悠「おれがアブノーマルみたいに聞こえるから」

神姫「変態でしょ?」

悠「守備範囲がひろいだけだっーの!」

千世子「もっとも、ポセイドンはゼウス、ハデスに並ぶ非常に格の高い神であるため、ギリシア神話では、ポセイドンが武器を持って闘うシーンはほとんど描かれていないのだ。しかしながら、ゼウスが世界を統治するまでの間は、巨人と闘うために武器を手にしたであろうし、そのときの武器がトライデントとあったと想像に難くないのだ。」

亘理『是非、その守備範囲を聞きたい!詳しく!』

悠「そうだな。いいと思ったら……いい。」

亘理『……』

摩耶「守備範囲とかじゃないよね」

神姫「でも、私の母が言ってたわね。」

悠「なにを?」

神姫「この人の子供を産みたいと思ったらソレが好きな相手だって」

悠「ずいぶんとカッコイイお母様だな」

神姫「私の母だからね」

千世子「実際に残された神話の中でトライデントが使用されたのは、アテナイ(現在のアテネ)の支配権をめぐり、アテナイの住民の利益と、より大きく貢献した方が支配権を得るというルールで女神アテナと争そったときのことであるのだ。ポセイドンは大地をトライデントで衝き、塩の泉を湧かせ、トライデントの力をさまざまに見せつけているのだ。ただし、対するアテナはオリーブの木を生やしたのだ。こちらのほうがひとより人間のためになると判定され、この戦いに勝利。アテナイの守護神はアテナとなったのだ。」

亘理『こ、子供……//』

揺光【妖怪と人間とのあいだにもできるがのぅ。】

悠「……」

摩耶「汗凄いよ?」

悠「ちょっと部屋が暑くてな…」

雨「真冬よ」

千世子「ポセイドン自身は非常に気まぐれであり、嵐や津波で人々の命を奪ったりする一方、温和で慈愛に満ちた面ももっていたのだ。」

揺光【これはこれは大丈夫かえ?コンコン♪】

悠「無問題」

義鷹「お前、雌狐になんか弱み握られてるんだな」

悠「ソナコトナイ」

摩耶「片言になってるよ」

千世子「たとえば自分の宮殿に住まうニンフ(神話などに登場する精霊あるいは下級女神)たちを喜ばせるために、珊瑚やイソギンチャクなど、美しかったユーモラスな生き物を作りだしたとも言われているのだ。以上、トライデントのじゅぎょーだったのだ。」
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