ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「揺光」

揺光【なんじゃ?】

悠「京都に行く用事ができた。ついてくるか?」

揺光【おぉ!そうか、勿論じゃ。いつ行く?】

悠「今夜だ。これが終わって、すぐだ。」

揺光【今夜か、早急じゃな。じゃが善いぞ。駆け落ちみたいじゃな】

悠「やかましい」

摩耶「僕、生八橋」

神姫「私もソレでいいわ。京とお父さんの分もね。」

義鷹「酒」

雨「漬けもの」

冥「お茶も買ってきてほしいナ」

亘理『えーと、えーと……なんか買ってきて!』

悠「揃いも揃って容赦ないな……。っか、そんな金ないっての」

揺光【善い善い、妾が買ってきてやる
。】

悠「金は?」

揺光【稲葉から、くれじっとかーど、というものを預かっとる。】

悠「おぃおぃ……。」

千世子「あんちん、京都行くのだ?」

悠「ああ、ちょっと用ができてな明日ともしかした明後日はここ来れないわ。まぁ、代わりにおれの半身がくるから変わりなしだけどな」

千世子「わかったのだ。」

悠「ちなみにぴよこは何か欲しい物あるか?」

千世子「シカせんべい食べてみたいのだ!!」

悠「ある種マニアックなチョイスだな」

亘理『え、シカせんべいって人間も食べられるの?!』

神姫「食べられるわよ。」

悠「米ぬかと穀類でできている。砂糖を使用していないから鹿に優しい。なのでもちろん人間も食べることができる。」

亘理『……それ、美味しいの?』

悠「……味は無いな。」

千世子「食べたいのだ!」

悠「う、うむ、シカせんべいな……」

摩耶「……でも、悠くんが京都に行くって事は奈良にいかないんじゃないの?」

悠「ん、まぁ……時間できたらシカせん買いにいってくる」

要「どういうことだ?」

摩耶「悠君の西本家って竜安寺と金閣寺の間にあって、その奥の山と一体化してるんだよ。ものすっ…………ごく高い所にあるの。」

悠「……まぁな」

摩耶「っていうより、上京区の辺りのほとんどは小鳥遊系列の老舗が多いよね」

悠「摩耶」

摩耶「あ、ごめん……。」

亘理『え、もしかして、悠ちゃんてボンボン?』

悠「ボンボン言うな。っか、ボンボンじゃねーし。あれだ、おれは末端だけど親戚が凄いだけ」

摩耶「……」

美兎「あ、でも、東京にもでっかいビルあるわよね。確か、義鷹がよく飛び疲れたらヘリポートで休憩してるビル」

悠「おいおい、捕まるぞ……っか、あれはおれとは関係ないぞ」

美兎「ふ・ぅ・ん~」

悠「なんじゃい」

千世子「あんちんが誰でも、千世子の生徒なのだ。」

悠「なまいきいいやがって」

つん!つん!

千世子「みゃ?!つ、つんつんするななのだ!」
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