ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

義鷹「久しぶりに一局打たないか?」

悠「おう。やらいでか」

摩耶「今年は勝てるといいね」

義鷹「っ……いってくれやがんな、この野郎」

千世子「ゆうねーちんは休みと……それじゃじゅぎょーしますのだ。」

【ゲイボルグ】
一投で数多の敵を打ち砕く、破滅の魔槍
分類:投槍、属性:魔、特殊効果:拡散
系統:ケルト神話、所持者:クーフーリン

亘理『ねーねー、シロちゃんは?』

悠「白巳なら家で寝てるぞきっと」

亘理『もっと連れてきてよ～』

悠「ちっちゃいのなら雨でも灼羅たんでもいるだろ」

雨「……」

灼羅「ちいちゃいいうな!」

亘理『シロちゃんがいーいのー!』

千世子「赤枝の騎士団のリーダーである半神の英雄クーフーリンが所持していた魔槍。影の国の魔女スカアハが、海獣(鯨という説もあるが不明)の骨を使って作ったとされているのだ。」

摩耶「武器を作るのに骨、牙、鱗はスタンダードだよね」

要「あと適度に鉱石もな」

揺光【武器作りに大切なのは「殺す」という執念じゃ】

神姫「殺意を乗せるってやつね。」

悠「料理の隠し味は愛みたいな言い方だな…」

千世子「投擲用の槍というと軽量な印象があるが、ゲイボルグはとてつもなく巨大であり、重量も有り怪力のクーフーリンにしか扱えなかったのだ。また戦場でゲイボルグが使われるときは、投げられた槍は敵目掛けて飛ぶだけでなく、先端からショットガンのように30もの矢じりが飛び出し、敵の盾や、鎧を貫通したというのだ。実はゲイボルグという名前の由来は「gaboolga(ぎざぎざの投擲武器)」であり、これは稲妻を示しているのだ。」

悠「ショットガンはいいよな。バイオだと必ずショットガンメインだし」

義鷹「……」

悠「待ったしようか?」

義鷹「いいや、まだだ……」

摩耶「こっちは絨毯爆撃くらってるみたいな攻め方されてるね」

千世子「また、威力倍増のために、足を使って投げるという独特の投擲方法もあったようなのだ。「ゲイボルグ」とは槍の名称ではなく、魔力を使った槍の投擲術の一種であるとする興味深い説も存在するのだ。」

悠「一蹴必投みたいな感じか」

神姫「投げるじゃなくて蹴るじゃない、それ」

悠「神姫様は投げるのの達人でいらっしゃるから足で投げることも造作もないでしょう」

神姫「してあげようか?」

悠「いぇ、全然、結構です。」

摩耶「できるの?」

神姫「足で胴体挟んで投げ飛ばすか、地面に叩きつけるのよ」

摩耶「なるほど……僕にはできないけど、新しいね」

悠「なるほどな……案外使えるかもな。逆境の極・改って感じで」

亘理『逆境の極?』

悠「倒された時、相手の膝を思いっきり蹴るんだ。」

摩耶「転んでもタダでは起きないって執念」

千世子「なお、父神である光の神ルーも、ブリューナクという投槍を所持していたのだ。ケルト神話においては、投槍や魔弾などの投擲武器は戦士の憧れだったのだろうなのだ。今日はここまで、続きは次回なのだ。」