ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「ということで今日からは幻想武器のじゅぎょーをするのだ。」

【エクスカリバー】
聖剣の中の聖剣
分類:剣、属性:光、特殊効果:絶対勝利/治癒/王の証、系統:アーサー王伝説、所持者:アーサー・ペンドラゴ

揺光【こういうものは妾の分類では無いのぅ。西洋系の物は分からぬ】

義鷹「使いやすけりゃ何でもいいだろ。」

悠「最古にして最良の武器は自分の拳だろ」

千世子「「アーサー王と円卓の騎士」で有名な、英国の騎士アーサーペンドラゴンが妖精から与えられた、両刃の片手剣なのだ。光り輝く剣であり、その切れ味はすさまじいのだ。また、主の傷を癒すとされる鞘までついているのだ。」

摩耶「きせきのつるぎみたいだね」

悠「ブラッティハンドときせきのつるぎとで自動レベル上げできるしな」

亘理『シックスだっけ?ドランゴ好き』

千世子「アーサーが、エクスカリバーを手にするまでの伝説は、あまりに有名なのだ。ブリトン王ユーサーの子であるアーサーは、自分が先王の子であるとは知らぬまま、幼いときに魔法使いマーリンに引き取られて育ったのだ。父王はまだアーサーが幼い時に崩御し、ブリトン王は空位となり、そのため王位をめぐる争いが続いていたのだ。」

悠「義鷹って肉食えば自分の肉体にそのまま取り込めるんだよな?」

義鷹「ああ」

悠「じゃあ、もし、こーゆー武器とかくったらどうなるんだ?」

義鷹「取り込める場合もあるが大抵、この手の武具は独自の付加能力があるから喰うとこっちが痛い目合う。」

悠「ほうほう」

義鷹「だから、そういう物は一回分解して自分用に組み直してからとりこんじまうのが一番だ」

悠「分解して大丈夫なのか?」

義鷹「失敗したら使えなくなるだけだ」

悠「分かりやすいな…」

千世子「そこで魔法使いマーリンは、一本の剣を石の台座に突き刺し「この剣を抜くものがブリトンの王たらん」と文字を彫り、カンタベリー大聖堂の前に設置したのだ。諸侯は誰も抜けなかったが、15才になったアーサーが、ふとしたことからエクスカリバーを知り、見事に抜けてしまうのだ。かくしてアーサーはブリトンの王の有資格者とされ、即位するのだ。」

悠「そっちはなんか特殊な武器とか隠し持ってないのか?」

雨「糸なら出せるわよ」

悠「なんかエロいな」

雨「なんでやねん!」

悠「そんな糸引いてるなんて」

雨「いっとらん!!」

千世子「ちなみに、その後の戦いにおいて、エクスカリバーはいったん折れているのだ。ここでマーリンは、アーサーをとある湖に誘い、弟子でもある妖精「湖の貴婦人」の剣と、折れた剣を交換させているのだ。そして湖の貴婦人から貰った剣もまた、エクスカリバーと呼ばれることとなったのだ。その語源を遡って行くと、アーサーが石から引き抜いた剣が「カリバーン(Caliburn)」、それが鍛え直され(交換され)て「エクスカリバーン(exCaliburn)」となった、と考えていいようなのだ。」

揺光【武器といって気になるのは……それじゃな】

なのは「ふぇ?」

揺光【妾も珍しい宝具を蒐集するのや改造するのが好きでのう……。それを少しいじらせてもらえんか?】

なのは「れ、レイジングハートは大切な物だからダメなの」

揺光【悪いように(たぶん壊し)はせん。貸して(寄越せ)たもう。】

悠「コラコラ、副音声で完全に寄越せってるぞ」

揺光【ふむ。なら力づくで奪えば善いと?】

悠「お前もときどき会話できないよな」

千世子「なお、アーサーは異父姉モルガン・ル・フェイに鞘を奪われ、戦の後に死亡しているのだ。ちなみに実際にアーサーが居たとされる年代には片刃剣スクラマサクスがよく使用されており、旧い文献には片刃の剣で描かれていることもあるのだ。以上、エクスカリバーのじゅぎょーだったのだ。」
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