ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「メリークリスマスなのだ!それじゃあ、今日のじゅぎょーは……」

マサライ【ユウ】

悠「うわっビックリした……どした」

マサライ【侵入者(客)だ】

悠「客?おれに?」

マサライ【ツブレタ饅頭ミたいなノダ。】

悠「ミハイルがぁ?」

摩耶「今ので分かるのが流石だね。」

ミハイル「自分は貞子みたいな癖になぁ」

悠「髪型はそうかも知れないがおれはアイツみたいに顔面が人として崩壊はしてねーよ。うわっ!」

ミハイル「なんだ、鏡でも見たのか?」

悠「やかましいわ!なんでいる!」

ミハイル「尋ねてきたからに決まってるだろそんなことも分からんのかボンクラ」

悠「いろいろと言いたいことはあるが……そういう意味で言ったんじゃない!いつの間におれの後ろに回ったっていってんだよ」

ミハイル「根来ゲルマン流忍術免許皆伝の僕が気配を消せないわけがないだろ」

悠「根来ゲルマン?初めて聞いたんだが?」

ミハイル「適当にいってるからな」

悠「……」

摩耶「どうどう、どうどう」

悠「馬じゃねーよ。」

ミハイル「馬鹿だけどな」

悠「じゃかしーわ!用があるならさっさと済ましてこの世から消えろ」

ミハイル「……」
ピッ!

悠「なんだそれ」

ミハイル「ナイフ……というよりは、刃だな」

悠「刃?にしては……」

揺光【ふむ、随分と無粋じゃな。装飾も無ければ鞘も柄も無し。しかし、無情なほど切れ味はありそうじゃな】

ミハイル「ボクが作ったものだ。このサイズで色々とギミックを施してある」

悠「っで…?」

ミハイル「これは直刃で肉眼ではみえないが鉤爪状に刻みが入っていて、少しでも刃が刺さるとズンズンとめり込んでいき、抜こうとしても抜けず、無理に引き抜いても肉を削ぐ」

亘理『ゲロゲロ…』

揺光【義鷹】

義鷹「なんだ?」

揺光【ふんっ!】

ブヂュッ!!!
義鷹「痛っで?!」

揺光【よいしょ!】

グヂヂヂヂッ!
義鷹「い゛ででで?!」

揺光【これはえげつないのぅ】

義鷹「なにすんだーー!!」

悠「目のまえでスプラッタおっぱじめるなよ……ぴよこがドンびいてるだろ」

千世子「……」

摩耶「あーあ、血が飛び散りまくりだよ」

神姫「ちょっと……服についてないでしょうね…。」

ミハイル「この様に切れ味も半端ないのだが、天才たる僕はさらに改良を加えて形状を変えた」

ピッ!
悠「いちいち人の眼先に突き付けるな!」

雨「針?」

摩耶「蛾眉刺だよ」

亘理『がびし?』

摩耶「中国の暗器だよ」

ミハイル「基本はアレと同じだ。手の中に隠して使える。これも目には見えない極細の鉤爪がついていて一度刺さると抜けにくく喰い込んでいく。そして一番の持ち味は入り込んだらまず手術しなければ抜けない点だ。刺さって動きつづけたら体内を縦横無尽に貫いていき……心臓や血管に達したら……言わなくても分かるな」

揺光【ほう、義鷹】

義鷹「手に取るな」

悠「そんな物騒なもんをなんで持ってくる」

ミハイル「一応現物を見せてやろうと思ってな」

悠「あー?」

ミハイル「良いか、刺さったら針が入り込むまでに絶対に抜け。出ないと死ぬぞ」

悠「どういう意味だ。」

ミハイル「そういう意味だ」
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