ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「クリスマスイブ」

義鷹「それって……挨拶なのか?」

悠「んー……最近はなにいっても挨拶になるし」

神姫「はぁい、馬鹿とか?」

悠「それ挨拶じゃなく暴言でっす!」

千世子「はーい、みんなークリスマスイブーなのだー。」

悠「ほら、挨拶になってる」

神姫「だったらメリークリスマスイブでもいいじゃない」

千世子「ところで今日からは九州、沖縄の妖怪のじゅぎょーになるのだ。」

雨「福岡、長崎、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄ね」

亘理『って、ことは日本妖怪制覇!』

悠「制覇なのか?」

亘理『わ、私は悠ちゃんに制覇されてもごにょごにょ……』

悠「あー?」

亘理『なんでないですぅー!』

【ぬりかべ】
壁の姿で有名になった妖怪

千世子「九州北部の福岡県、北の端にある遠賀郡では、夜道を歩いてると突然あるはずのない壁が目のまえにあらわれ、前に進めなくなってしまう事があったのだ。これは妖怪「ぬりかべ」が道をふさいでいるのだ。もし、ぬりかべに遭遇してしまったら、棒で壁の下の方を叩けば壁は消え、通行できるようになるといわれたのだ。」

摩耶「ボク場合前に誰かに立たれたら壁になるけどね」

悠「摩耶の前で壁になってるものなんてあるのか?」

摩耶「ジッ…」

悠「え、おれ?」

摩耶「にっこり」

千世子「福岡県の南東にある大分県にもぬりかべは伝わっているのだ。大分県のぬりかべの正体は、狸や狐など動物妖怪のいたずらだというのだ。ぬりかべは無名の妖怪ではなかったけど、具体的な外見が全く分からなかったのだ。」

神姫「私は壁を感じたことないわね」

悠「でしょうね」

神姫「アニキ以外には……」

摩耶「そういえばどーいうひとなの?」

神姫「他の人がどうかは知らないけど……私からしたらすごく気分の悪い人」

千世子「しかし2007年8月、アメリカ西部のユタ州にあるブリガムヤング大学の図書館でぬりかべの絵巻が発見されたのだ。その絵巻には、三つ目の獅子のような妖怪が描かれており、「ぬりかべ」と書かれていたのだ。」

悠「気分が悪くなる人間なんていっぱいいるからな。柏とかミハイルとか」

摩耶「そのふたりは悠君が個人的に嫌ってるだけだけどね」

千世子「一般にぬりかべは「巨大な壁に、両目と小さな手足」という姿で知られているのだ。これは漫画家で妖怪博士でもある「水木しげる」が創作した姿なのだ。彼がぬりかべを描いたころ、まだぬりかべの絵巻は見つかっていなかったのだ。」

揺光【しかし、壁何ぞ難儀よのう。立ちはだかった瞬時に壊されるのじゃから】

雨「登ればいいじゃない」

義鷹「飛んだほうが速い」

千世子「九州地方には、ぬりかべのように通せんぼする妖怪が他にも居るのだ。九州の北に浮かぶ、いきの島には、夜に山道を歩いてると、突然あらわれて道をふさぐ「ぬりぼう」という妖怪が居るのだ。もしぬりぼうがあらわれたら、棒で叩くか一服して休んでいれば、いつのまにかぬりぼうは消えるのだ。残念なことに、ぬりぼうの姿もまったく不明で、民間伝承などにも残っていないのだ。」

悠「基本的に叩かれるんだな」

摩耶「かなり悲惨だよね。」

悠「まぁでも、透明になる奴は基本やられるからなオオナズチもナルガクルガ希少種もプレデターも」

千世子「新潟と長野県の境にある苗場山に現れる「道塞ぎ」もぬりかべと似た妖怪なのだ。この妖怪の道のふさぎ方はかなり大掛かりなのだ。この妖怪は「巨大な滝と、見上げるほどの巨大な岩」に変身し、釣りに来た老人の道を塞いだというのだ。以上、ぬりかべのじゅぎょーだったのだ。」
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