ー奇談ー學校へ行こう4
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「眠っ……。」
摩耶「眠眠打破あるよ?」
悠「なんで?」
摩耶「最近変な時間に眠くなってさ~。念のために常備してるの」
悠「ほー、でもいらないわ。ドリンク剤はここぞって時にしか飲まないようにしてるから」
摩耶「ヒートゲージ空っぽになった時とかだね」
悠「そうだ。」
雨「どんな時よ……。」
千世子「眠りに関係して、今日はこのじゅぎょーなのだ」
【枕返し】
枕をクルリで生命もコロリ
悠「おれは枕より、抱き枕派だけどな」
揺光【妾は腕枕が好みじゃな】
悠「そういうのありなら膝枕とーっぴ!!」
亘理『あたしも腕枕がいいかなー、なー』
悠「義鷹、腕」
ブチチ…
義鷹「ほら、腕」
亘理『いらん!!』
悠「見事に腕なのにな」
千世子「朝起きたら、布団が蹴飛ばされ、枕があらぬ方向に移動している……寝相が悪い人なら別に珍しくもないのだ。だが昔の日本では、この「枕が移動している」という現象を恐れたのだ。人々はこれを、妖怪「枕返し」のしわざと考えたのだ。」
摩耶「僕は高反発枕かな」
雨「高反発?低反発じゃなくて?」
摩耶「うん。でも、高反発っていっても昔からあるウレタンが詰まった枕みたいな感じだよ。」
神姫「枕を手で押しこんで手を離すとすぐにもとの形に膨らむやつね。」
千世子「枕返しは人間が寝ている間に、枕を頭から足元に移動させる妖怪なのだ。この枕を移動させる行為を「枕を返す」と呼んだため、枕返しという名前がついたのだ。枕を動かさない代わりに、寝ている人間の向きを逆にする場合もあるのだ。」
義鷹「腕いるか?」
悠「いやー、いらんなぁ。」
義鷹「そうか。ガジッ!クジュガリリ……ゲフッ。」
悠「おー……リアルスプラッタ&人食(?)」
義鷹「勿体ないからな。」
亘理『きしょいよ!!』
千世子「枕返しの伝承は日本中にあり、その外見をはっきりと言い切ることは難しいのだ。坊主の姿をしているという話しもあれば、小僧の姿をしていたという話しもあるのだ。美しい女性の姿だという伝承もあるし、鳥山石燕の妖怪画集「図画百鬼夜行」では、小さな仁王の姿で描かれているのだ。四国の北西うどん県……もとい「香川県」にある「大窪寺」には、寝ると枕返しが現れる建物があるので、実際に確かめるのが良さそうなのだ。」
悠「義鷹は枕、丸太とかつかってる?」
義鷹「寝られるか」
悠「雨は?」
雨「糸にぶら下がってる」
悠「ふーん」
雨「流すな!!」
千世子「枕を動かすだけなら害は無いように思えるのだが、昔の人々が枕返しを恐れたのには理由があるのだ。日本には「夢を見るのは、寝ているあいだに魂が身体から抜け出して、夢の世界にいってるからだ」という迷信があったのだ。そして枕は、魂が夢の世界と行き来するための道具だと考えられていたのだ。しかし、寝ているあいだに枕を返されると、魂は体に戻れなくなってしまうと考えたのだ。」
摩耶「それより、悠君こそちゃんと布団で寝てる?」
悠「正直今の時期はコタツのが多い」
神姫「バカだから風邪ひかないしね」
悠「そうそう。」
雨「否定……しようもないか」
悠「そんな全体で認めてくれなくていいんだぞ?」
千世子「昔から日本には、枕に関する迷信が多かったのだ。人々は枕を大切に扱い、枕を粗末に扱うことを硬く戒めたのだ。もちろん踏んだり蹴飛ばしたりは厳禁なのだ。」
悠「枕投げができないじゃない!!」
神姫「石でも投げれば?」
悠「投石は兵器です」
千世子「数ある迷信の中でも、特に有名なのは「北枕」なのだ。日本では、生きている人間が頭を北に向けて寝る「北枕」は縁起が悪いとされているのだ。」
悠「北枕の風習は、仏教の開祖の釈迦が、北に頭を向けて死んで、安らぎの境地に達したことに由来する。仏教では釈迦の死に習って、死んだ奴を北枕で弔うようになったそうだ。」
摩耶「じゃあ、縁起が悪い訳じゃないんだね。」
千世子「けど、日本だと北枕は死人専門で生きてる人間には縁起が悪いとされたのだ。いじょー枕返しのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「眠っ……。」
摩耶「眠眠打破あるよ?」
悠「なんで?」
摩耶「最近変な時間に眠くなってさ~。念のために常備してるの」
悠「ほー、でもいらないわ。ドリンク剤はここぞって時にしか飲まないようにしてるから」
摩耶「ヒートゲージ空っぽになった時とかだね」
悠「そうだ。」
雨「どんな時よ……。」
千世子「眠りに関係して、今日はこのじゅぎょーなのだ」
【枕返し】
枕をクルリで生命もコロリ
悠「おれは枕より、抱き枕派だけどな」
揺光【妾は腕枕が好みじゃな】
悠「そういうのありなら膝枕とーっぴ!!」
亘理『あたしも腕枕がいいかなー、なー』
悠「義鷹、腕」
ブチチ…
義鷹「ほら、腕」
亘理『いらん!!』
悠「見事に腕なのにな」
千世子「朝起きたら、布団が蹴飛ばされ、枕があらぬ方向に移動している……寝相が悪い人なら別に珍しくもないのだ。だが昔の日本では、この「枕が移動している」という現象を恐れたのだ。人々はこれを、妖怪「枕返し」のしわざと考えたのだ。」
摩耶「僕は高反発枕かな」
雨「高反発?低反発じゃなくて?」
摩耶「うん。でも、高反発っていっても昔からあるウレタンが詰まった枕みたいな感じだよ。」
神姫「枕を手で押しこんで手を離すとすぐにもとの形に膨らむやつね。」
千世子「枕返しは人間が寝ている間に、枕を頭から足元に移動させる妖怪なのだ。この枕を移動させる行為を「枕を返す」と呼んだため、枕返しという名前がついたのだ。枕を動かさない代わりに、寝ている人間の向きを逆にする場合もあるのだ。」
義鷹「腕いるか?」
悠「いやー、いらんなぁ。」
義鷹「そうか。ガジッ!クジュガリリ……ゲフッ。」
悠「おー……リアルスプラッタ&人食(?)」
義鷹「勿体ないからな。」
亘理『きしょいよ!!』
千世子「枕返しの伝承は日本中にあり、その外見をはっきりと言い切ることは難しいのだ。坊主の姿をしているという話しもあれば、小僧の姿をしていたという話しもあるのだ。美しい女性の姿だという伝承もあるし、鳥山石燕の妖怪画集「図画百鬼夜行」では、小さな仁王の姿で描かれているのだ。四国の北西うどん県……もとい「香川県」にある「大窪寺」には、寝ると枕返しが現れる建物があるので、実際に確かめるのが良さそうなのだ。」
悠「義鷹は枕、丸太とかつかってる?」
義鷹「寝られるか」
悠「雨は?」
雨「糸にぶら下がってる」
悠「ふーん」
雨「流すな!!」
千世子「枕を動かすだけなら害は無いように思えるのだが、昔の人々が枕返しを恐れたのには理由があるのだ。日本には「夢を見るのは、寝ているあいだに魂が身体から抜け出して、夢の世界にいってるからだ」という迷信があったのだ。そして枕は、魂が夢の世界と行き来するための道具だと考えられていたのだ。しかし、寝ているあいだに枕を返されると、魂は体に戻れなくなってしまうと考えたのだ。」
摩耶「それより、悠君こそちゃんと布団で寝てる?」
悠「正直今の時期はコタツのが多い」
神姫「バカだから風邪ひかないしね」
悠「そうそう。」
雨「否定……しようもないか」
悠「そんな全体で認めてくれなくていいんだぞ?」
千世子「昔から日本には、枕に関する迷信が多かったのだ。人々は枕を大切に扱い、枕を粗末に扱うことを硬く戒めたのだ。もちろん踏んだり蹴飛ばしたりは厳禁なのだ。」
悠「枕投げができないじゃない!!」
神姫「石でも投げれば?」
悠「投石は兵器です」
千世子「数ある迷信の中でも、特に有名なのは「北枕」なのだ。日本では、生きている人間が頭を北に向けて寝る「北枕」は縁起が悪いとされているのだ。」
悠「北枕の風習は、仏教の開祖の釈迦が、北に頭を向けて死んで、安らぎの境地に達したことに由来する。仏教では釈迦の死に習って、死んだ奴を北枕で弔うようになったそうだ。」
摩耶「じゃあ、縁起が悪い訳じゃないんだね。」
千世子「けど、日本だと北枕は死人専門で生きてる人間には縁起が悪いとされたのだ。いじょー枕返しのじゅぎょーだったのだ。」