ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「……」

摩耶「どうかした?」

悠「お腹すいた……」

摩耶「腹ペコなんて珍しいね。」

悠「実はさっきまで寝てて何も喰ってないんだ」

摩耶「冬眠寸前みたいだね」

千世子「それじゃあ、あんちんが冬眠しきるまえにじゅぎょー開始なのだ」

【酒呑童子&茨木童子】
大江山の鬼大将

悠「鬼来たか」

神姫「そういえば百目鬼のおじ様が会いたがってたわよ」

悠「うげっ……」

千世子「「鬼」といえば妖怪の代表格なのだ、ひとくちに鬼といってもさまざまな種類が居るのだ。数多い鬼の中でも、もっとも有名な鬼たちが「酒呑童子」と「茨木童子」なのだ」

悠「雲水のおっさんなんて?」

神姫「用件までは聞いてないわ」

悠「今の話し聞かなかった事にしていいかな」

神姫「別に私は困らないから別にいいわよ」

悠「超COOL……」

千世子「酒呑童子は、平安時代の京都で「人をさらって食う」「金銀財宝を奪う」など、悪行の限りを尽くした妖怪なのだ。その身長は6メートルとも15メートルともいわれ、多くの場合三本以上の角を生やした姿で描かれてるのだ。肌の色は真っ赤に染まり、目が十五個もあったと伝えている民話まであるのだ。まさに異形の鬼といえるのだ。」

亘理『そういえば鬼ってみたことないや』

揺光【そこにおるではないか】

悠「誰が鬼だ」

神姫「鬼なんて上等な者じゃなくいいとこ餓鬼よ」

摩耶「上手い!」

悠「うぉい!」

千世子「酒呑童子は、京都の西のはずれにある「大江山」という山を根城にし、茨木童子をはじめとする多くの鬼を手下にして暴れていたのだ。だが最後は、怪物退治で有名な「源頼光」と、部下たちによって退治されたのだ。酒呑童子は、頼光たちが仕掛けた毒の酒を飲んでしまい、酔い潰れた所を頼光に切られてしまったのだ。」

悠「義鷹は鬼とは?」

義鷹「食ったことがある。」

悠「そういう話しじゃなかったんだけど」

義鷹「なに?」

悠「あったことあるかって意味で聞いたんだよ」

義鷹「メフィストのおっさんが昔調子乗って召喚したって話ししただろ」

悠「あー……したな」

千世子「酒呑童子の「酒呑」は、酒呑童子が大の酒好きであることからきているのだ。そして「童子」は、鬼の呼び名として多用される名前なのだ。なぜ巨体の鬼たちの呼び名に、子どもを意味する「童子」が使われるかというと、これは鬼たちが「山の神」の一種だからといわれているのだ。」

摩耶「雨ちゃんは鬼とかの知り合い居る?」

雨「純粋な鬼は無いわ。鬼は有る意味希少種だからね」

悠「おれの知り合いには少なくとも鬼系が三人いるぞ」

雨「本当に変なのばっかりと知り合いなのね。」

悠「それだと雨もいっしょだからっていってるだろ」

千世子「日本には神がこの世に現れるときは子供の姿をとるという信仰があるため、山の神である鬼たちも「童子」と呼ばれるようになったのだ。酒呑童子の赤い顔が赤ん坊のようだから「童子」と呼ばれた伝承があるのも確かなのだ。けど、身長が6メートル以上の赤ん坊というのも違和感がぬぐえないのだ。」

悠「千と千尋の坊だな」

摩耶「それでも6メートルは無いけどね」

千世子「酒呑童子は多くの鬼を鬼を部下にしていたのだ。その中で特に有名なのが茨木童子なのだ。茨木童子は「鬼の手」という伝承のもとになった鬼として有名なのだ。」

なのは「お願いが叶う話しだっけ?」

フェイト「鬼の手って凄いんだね!」

悠「ボソボソ」

フェイト「……なのは、それ鬼の手ちゃう。猿の手やねん」

要「何いわせてるんだよ」

悠「ツッコミのやり方」

要「大失敗だろ」

千世子「大江山で酒呑童子が負け、辛うじて生き残った茨木童子は、後日、源頼光の部下「渡辺綱」と闘い、腕を切り落とされたのだ。この腕は七日ものあいだ動きつづけていたが、その後策略を使った茨木童子自身によって取り戻されているのだ。」

悠「そういや……茨城童子の伝承に、茨木童子が鬼になった理由が書かれてる物があったな。」

千世子「勝手に進めちゃダメなのだ!」

悠「サーセン」

千世子「茨木童子は床屋に拾われた捨て子だったのだ。あるとき間違って客の頬をカミソリで切ってしまい、舐めた血の美味さが忘れられなくなって鬼になったというのだ。以上、酒呑童子&茨木童子のじゅぎょーだったのだ」
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