ー奇談ー學校へ行こう4
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「それで馬鹿が人ン家のポストにウジ虫投函しようとしやがったんだよ」
雨「ろくな知り合い居ないのね」
悠「なら、雨もろくな奴じゃないな」
雨「カチカチカチ」
悠「都合が悪くなると頭だけ蜘蛛化するの止めてくれないかな。もう見慣れたけど」
摩耶「馴れたんだ」
悠「そりゃなれるしょ」
千世子「はーい、それじゃ今日はこのじゅぎょーなのだ」
【絡新婦】
細い糸でも、根こそぎいきます
なのは「からめしんぷ?」
悠「じょろうぐもだよ」
雨「なら、今日は私メインね」
悠「ホント、最近虫つづきだわさ」
千世子「ジョロウグモとは、黄色と黒のあざやかな虎縞模様が特徴の大型の蜘蛛なのだ。もちろん妖怪のことで虫の事じゃなく、静岡県をはじめ全国各地に伝承が残されている妖怪の「絡新婦」のじゅぎょーするのだ。」
摩耶「悠君は好きな虫っていた?」
悠「虫の中で選ばされるなら……マレコガネとかかな」
亘理『私、マボロシチョウとピュアアゲハ』
雨「モンハン脳どもうっさい」
摩耶「ちなみに神姫さんは?」
神姫「……ここで蝕龍蟲とかいえばいいの?」
悠「うぉ……獄狼竜っときたか」
千世子「絡新婦は、昼のあいだは美しい女性の姿をしているのだ。だが夜になると大きな蜘蛛に変身し、人間を襲うのだ。また、女新婦が青い煙を吐くと、その煙は小さな蜘蛛に変身するのだ。この小蜘蛛は人間に噛みつき、生き血をすするというのだ。」
悠「バイオハザードだな。殺虫剤振りまかないと」
神姫「ライターと組み合わせて火炎放射で焼却でしょ」
要「妖怪より人間のがえげつないな」
千世子「静岡県の東部、伊豆半島のど真ん中にある「浄蓮の滝」は、絡新婦が住む滝だという伝承があるのだ。この滝の近くで男が休んでいると、どこからか蜘蛛があらわれて、男の足に糸を巻き付けた。男がその糸を近くの切り株に巻き付けてみると、切り株はメリメリと音を立てて引き抜かれ、滝壺に飲みこまれてしまったというのだ。」
悠「どっかの蜘蛛っ娘も人のこと吊り上げてくれたよな」
雨「首じゃなくて良かったでしょ」
亘理『首吊りはつらいよ』
悠「亘理サン、ナマナマシイデス」
千世子「これと似た話しは各地にあるのだ。宮城の賢淵伝説では、水中に引き込まれた後、「かしこい、かしこい」と、どこからか声が聞こえたというのだ。これは水蜘蛛の仕業と伝えられているのだ。絡新婦は女郎としいう名前から女に化けるものとされていて、人間の前にあらわれると武士に結婚を迫ったり、子連れの女として現れたりするというのだ。」
摩耶「悠君なんか余裕だよね。気がついたらなんでもかんでも居るし」
悠「なんでもかんでもいうなよ」
神姫「京も住まわせてあげなさいよ」
悠「神姫さん……ちょっと、おれにもやさしくしてくださいよ……。」
千世子「蜘蛛の妖怪には大蜘蛛というのもいるのだ。この二種類のクモ妖怪の違いは、大蜘蛛は山の精霊ともいうべき存在だが、絡新婦は水と関係が深いのだ。」
神姫「気持ち悪い」
悠「えぇ……」
摩耶「今のは悠君がわるいね」
悠「あれ、おれが悪いの?!」
千世子「もともとクモは、へび、うなぎ、魚、カワウソなどとともに、水の神が姿を変えたもの、または水神の使いと信じられていたのだ。水神は女神などの姿で現れることも多く、妊娠・安産を祈る習慣とも関係が深いのだ。絡新婦のような水のクモが女性に化けるのは、水神の女性神としての性質をうけついでいるからなのだ。」
亘理『雨ちゃんも神様?』
雨「ただのクモ妖怪よ」
悠「神っぽいってのなら管理人ちゃんだよな。尻尾いっぱいあるし」
揺光【……】
ビシッビシッビシッ…
バシッバシッバシッ…
ベチッベチッベチッ…
悠「九尾でしばくな!でも……モフッモフッしてる!」
千世子「時がたつとクモは、その姿の奇怪さから、妖怪の性質を強めていったと思われるのだ。しかし蜘蛛の水神的な特徴は残されたのだ。絡新婦が女性に変身するのは、クモが神様として信仰されていた時代の流れなのだ。以上、絡蜘蛛のじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「それで馬鹿が人ン家のポストにウジ虫投函しようとしやがったんだよ」
雨「ろくな知り合い居ないのね」
悠「なら、雨もろくな奴じゃないな」
雨「カチカチカチ」
悠「都合が悪くなると頭だけ蜘蛛化するの止めてくれないかな。もう見慣れたけど」
摩耶「馴れたんだ」
悠「そりゃなれるしょ」
千世子「はーい、それじゃ今日はこのじゅぎょーなのだ」
【絡新婦】
細い糸でも、根こそぎいきます
なのは「からめしんぷ?」
悠「じょろうぐもだよ」
雨「なら、今日は私メインね」
悠「ホント、最近虫つづきだわさ」
千世子「ジョロウグモとは、黄色と黒のあざやかな虎縞模様が特徴の大型の蜘蛛なのだ。もちろん妖怪のことで虫の事じゃなく、静岡県をはじめ全国各地に伝承が残されている妖怪の「絡新婦」のじゅぎょーするのだ。」
摩耶「悠君は好きな虫っていた?」
悠「虫の中で選ばされるなら……マレコガネとかかな」
亘理『私、マボロシチョウとピュアアゲハ』
雨「モンハン脳どもうっさい」
摩耶「ちなみに神姫さんは?」
神姫「……ここで蝕龍蟲とかいえばいいの?」
悠「うぉ……獄狼竜っときたか」
千世子「絡新婦は、昼のあいだは美しい女性の姿をしているのだ。だが夜になると大きな蜘蛛に変身し、人間を襲うのだ。また、女新婦が青い煙を吐くと、その煙は小さな蜘蛛に変身するのだ。この小蜘蛛は人間に噛みつき、生き血をすするというのだ。」
悠「バイオハザードだな。殺虫剤振りまかないと」
神姫「ライターと組み合わせて火炎放射で焼却でしょ」
要「妖怪より人間のがえげつないな」
千世子「静岡県の東部、伊豆半島のど真ん中にある「浄蓮の滝」は、絡新婦が住む滝だという伝承があるのだ。この滝の近くで男が休んでいると、どこからか蜘蛛があらわれて、男の足に糸を巻き付けた。男がその糸を近くの切り株に巻き付けてみると、切り株はメリメリと音を立てて引き抜かれ、滝壺に飲みこまれてしまったというのだ。」
悠「どっかの蜘蛛っ娘も人のこと吊り上げてくれたよな」
雨「首じゃなくて良かったでしょ」
亘理『首吊りはつらいよ』
悠「亘理サン、ナマナマシイデス」
千世子「これと似た話しは各地にあるのだ。宮城の賢淵伝説では、水中に引き込まれた後、「かしこい、かしこい」と、どこからか声が聞こえたというのだ。これは水蜘蛛の仕業と伝えられているのだ。絡新婦は女郎としいう名前から女に化けるものとされていて、人間の前にあらわれると武士に結婚を迫ったり、子連れの女として現れたりするというのだ。」
摩耶「悠君なんか余裕だよね。気がついたらなんでもかんでも居るし」
悠「なんでもかんでもいうなよ」
神姫「京も住まわせてあげなさいよ」
悠「神姫さん……ちょっと、おれにもやさしくしてくださいよ……。」
千世子「蜘蛛の妖怪には大蜘蛛というのもいるのだ。この二種類のクモ妖怪の違いは、大蜘蛛は山の精霊ともいうべき存在だが、絡新婦は水と関係が深いのだ。」
神姫「気持ち悪い」
悠「えぇ……」
摩耶「今のは悠君がわるいね」
悠「あれ、おれが悪いの?!」
千世子「もともとクモは、へび、うなぎ、魚、カワウソなどとともに、水の神が姿を変えたもの、または水神の使いと信じられていたのだ。水神は女神などの姿で現れることも多く、妊娠・安産を祈る習慣とも関係が深いのだ。絡新婦のような水のクモが女性に化けるのは、水神の女性神としての性質をうけついでいるからなのだ。」
亘理『雨ちゃんも神様?』
雨「ただのクモ妖怪よ」
悠「神っぽいってのなら管理人ちゃんだよな。尻尾いっぱいあるし」
揺光【……】
ビシッビシッビシッ…
バシッバシッバシッ…
ベチッベチッベチッ…
悠「九尾でしばくな!でも……モフッモフッしてる!」
千世子「時がたつとクモは、その姿の奇怪さから、妖怪の性質を強めていったと思われるのだ。しかし蜘蛛の水神的な特徴は残されたのだ。絡新婦が女性に変身するのは、クモが神様として信仰されていた時代の流れなのだ。以上、絡蜘蛛のじゅぎょーだったのだ。」