ー奇談ー學校へ行こう4

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「痛っ」

摩耶「どしたの?殴られた?切られた?撃たれた?潰された?」

雨「どれだけ恨み買ってるのよ」

悠「唇が切れただけだよ」

摩耶「殴られたパターンだね」

悠「スイマセン、ただ唇が乾燥してるだけです」

揺光【妾が舐めて潤わせてやろう】

悠「いらん、いらん」

千世子「寒さが猛威を振るってるけどじゅぎょー開始なのだ。」

【ダイダラボッチ】
歩いた一歩が沼となる

悠「誰かリップ持ってないか?」

なのは「あ、私持ってます」

悠「貸し……」

チャキ……
要「……」

悠「リップは欲しいけど冷たい銃口はいらない」

千世子「世界各地の創生神話には、巨人がよく登場するのだ。山はどのようにうまれたのか、湖はどう作られたのか……こうした疑問に答えるのが力自慢の巨人たちなのだ。日本では、妖怪「ダイダラボッチ」の伝説がもっとも有名なのだ。」

悠「なぁ、神姫、リップ持ってないか」

神姫「リップは持ってないけど、練り辛しならあるわよ」

悠「なんの拷問だよ。っか、なんで、練りからしはある。」

神姫「っていうか、仮に持ってたとしても貸す訳無いでしょ。」

千世子「「ダイダラボウ」「ダイトウボウシ」「デエデエボウ」「デンデンボメ」「デーランボウ」「レイラボッチ」など地方によりさまざまに呼ばれているダイダラボッチは、関東や中部地方を中心に、東北から四国までの広い地域で語られる巨人なのだ。漢字で書くなら「大太法師」「大太郎坊」などとなるのだ。」

悠「摩耶は持ってるか?」

摩耶「僕も持ってないよ」

悠「雨は?」

雨「粘着質の糸なら出せるわよ」

悠「おれもねばい液体ならだせるっーの」

神姫「じゃあ、口に塗っとけば?もしくは喋るな」

悠「すいません」

千世子「特に関東地方では、足の裏のような形をした窪地や沼地を「ダイダラボッチの足跡」とよび、巨人が山を動かすときに踏ん張った後だというのだ。このような伝説の残る土地は、関東だけでも三十以上にのぼるのだ。」

悠「……ふぁ~ぁ痛っ」

摩耶「欠伸したらよく裂けるよね。そういうときって」

悠「まったく、踏んだり蹴ったりだ。」

義鷹「再生したらいいだろ」

悠「アイアムヒューマン!」

千世子「ダイダラボッチが日本の地形を作った伝説のうち、もっともスケールの大きな話は、富士山に絡んだ話しなのだ。佐賀県に残る伝説では富士山はダイダラボッチが地面の土を掘って、富士山の位置に積み上げたて作ったと伝えているのだ。」

神姫「うるさいわね……。」

悠「悪かったから練りがらしは止めてくれ。」

摩耶「飴とかあったらそれを舐めて着けるって手も有るけど」

悠「雨舐めるのか……。」

雨「カチカチカチ」

悠「蜘蛛化すんな。蜘蛛化」

千世子「ではその土はどこから持ってきたのかというと、滋賀県にある「琵琶湖」なのだ。琵琶湖は、ダイダラボッチが土を掘ってできた穴に、水が流れ込んでできたものだというのだ。また、ダイダラボッチは滋賀県から土を運ぶときに、土をぽろぽろとこぼしたのだ。こうしてこぼれた土は、岐阜県から静岡県まで連なり、中部、東海地方の象徴でもある日本有数の山脈「日本アルプス」となって現在に残されているのだ。」

悠「ちなみに「アンデスメロン」の「アンデス」は「アンデス地方」の「アンデス」じゃなく「安心ですメロン」の略なんだぞ」

摩耶「そうなんだ」

悠「ああ、そもそも気候的にメロンの生育に適してないし、芋とかトウモロコシ、トウガラシが有名だ。」

千世子「富士山以外にも、浅間山などいくつもの造山のこっているのだ。ダイダラボッチは日本の険しい地形を作った妖怪なのだ。いじょー、ダイダラボッチのじゅぎょーだったのだ。」
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