ー奇談ー學校へ行こう4

ー壱階休憩所ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「すっごい雨だな」

冥「洗濯物が乾かないのナ」

美兎「風も強いしね。」

揺光【妾の毛も湿りっぱなしじゃ。のぅ、毛が湿っとるのじゃ】

悠「前文に「尻尾の」ってつけろよ」

揺光【髪の毛かも知れんぞぇ?それともどこの毛と思うた?え?んん?】

悠「どうしよう、狐にセクハラされた」

義鷹「いつもの事だろ」

悠「かもな、家では狸がセクハラしてくるし」

義鷹「あの、おっさんがお前に?」

悠「性格にはおれの半身にな」

義鷹「お前二つに分かれてるのか?」

悠「いや……あながち間違いでもないのか?」

義鷹「聞かれてもしらねぇけど」

忌野「……」

冥「あ、忌野さん。お茶一緒にどうかニャ」

忌野「お?おぉ、小猫か……はて、ワシはぁ……なにしとったんやったかな?」

義鷹「ボケてウロツキ歩いてたんだろ」

忌野「あぁん?」

悠「あの、おれを挟んで睨みあうの止めてください。」

美兎「アンタもなんかそういうポジションね。」

冥「巻き込まれ体質なのナ。」

悠「どうせ挟まれるなら女に挟まれたい」

揺光【どこをじゃ?】

悠「義鷹、将棋する?」

義鷹「いいぞ。」

揺光【……雨でも虐めるか】

雨「なんでよ?!」

揺光【暇つぶしじゃ】

悠「ほどほどにしとけよ。」

雨「止めてよ!!」

亘理『冥ちゃーん、おなかすいた~。って、あれ?悠ちゃん、まだ居たんだ。』

悠「雨降ってるからな。雨にうたれるのは好きなんだけど、濡れて帰ると家のもんがうるさいんだ。」

亘理『じゃあ、今日泊って行きなよ』

悠「遠慮する」

亘理『遠慮すんなょー』

悠「自分、枕が変わると眠れない派なのですよ」

義鷹「そんな繊細な生き物かよ。」

悠「繊細だよ。ヤシの実みたいにな」

冥「繊細じゃなくて、繊維の固まりなのナ」

悠「昔、冗談でおれの頭はヤシのみより硬いと豪語したらぶつけられたことあったよ。頭に」

亘理『ひっど……誰にやられたの!』

悠「ジジイ」

亘理『え?』

悠「ジジイ。血の繋がった祖父にやられたんだよ」

亘理『……』

義鷹「結果は?」

悠「ヤシの実が割れたよ。ついでにおれのひたいもな。縫うまではいかなかったけど結構な出血量だった。」

雨「どんな家庭よ」

悠「至って普通の家庭さ。ちょーっと、祖父が地上最強だっただけ。」

義鷹「へぇー最強ねぇ……。」

悠「死んだけどな。」

揺光【無くすのには実に惜しい人物じゃった】

悠「ふん。」

冥「悠ちゃんも複雑な事情をもつてるのナ」

悠「そんなことないって、ごくごくふつーさ」
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