ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ボーっ」

なのは「悠さん?」

悠「あー?なのなの、どした?」

なのは「なのな……いえ、ぼーっとしてたのでどうかしたのかなって思って」

悠「いやー、はは、ちょっと典型的な摩耶不足だ。」

要「お前にとって摩耶君はなんなんだ。」

悠「極めて近く限りなく遠い世界」

要「あ?」

悠「遠くに居る時は別に平気なんだけど、近くに居る時は合わないと辛い的な存在さ。摩耶はいいぞ。しっかりしてるし、器量も、頭もいい、前向きだし何より見てて可愛い。」

なのは「なんだか、恋人みたいですね。」

悠「その辺の頭空っぽな奴らよりかは摩耶のが数十倍いいのは確かだよ」

千世子「ほーい、じゅぎょーするのだ。日本には狐火の他にも、多くの怪火談が伝わっているのだ。そのなかで狐火と同等か、それ以上に有名なのが「鬼火」と呼ばれる火なのだ。鬼火の多くは松明の火のような形をした青い光だと言われてるが、赤や黄色のこともあるし、大きさも様々なのだ。」

揺光【そんなに寂しいのなら妾が摩耶に化けてやろうか?】

悠「ダメだ。摩耶は摩耶でないとダメなんだ。」

後楽「しゃーねーな、おじさんが化けてやるよ」

悠「本気で手が出るから止めろ。」

千世子「鬼火は死んだ人間や動物から生じるといわれ、人に近寄ると生気を吸う……とはいっても鬼火は霊魂ではなく、流れ出た血が土に染み込み、年月を経て精霊のように変化するものであって、人魂などとは区別されるのだ。人の怨念が火となって現れるものだ、などと言われることもあるのだ。」

後楽「ってかよ、あの少年にこだわらなくても綺麗どころはいるじゃんか。例えば……」

神姫「……」

悠「あのお姉さまに、摩耶にやるような事したらどんな目にあわされるか分からないから嫌です。」

要「摩耶君にするような事……抱っこ?」

悠「ハグは重要だ。」

神姫「逆に私がしてあげましょうか?」

悠「いえ、神姫様のハグ(抱き)じゃなくグラップ(組みつき)ですから。叩きつけとか勘弁してください。」

神姫「そっ……残念だわ。」

悠「ゾッ……」

千世子「「ジャンジャン火」は、怨念が火になった妖怪なのだ。奈良県の各地に伝わる妖怪であり、貴族や武将などの怨念から生まれた火だというのだ。青い火の玉がジャンジャンという音を立てながら飛び、火の玉同士で合戦をしたり、見た人を祟り熱病を煩わせると言われてるのだ。九州地方では「天火」と呼ばれる怪火が知られ、やはりシャンシャンと音を立てて飛ぶ提灯ほどの火が、家に入りこみ住人を病気にするのだ。」

義鷹「あの女、殺気満々だな」

悠「アレでおれをブン投げれるからシャレにならん……。おれの体重約100キロだぞ。」

揺光【……鯖読んどるじゃろ。】

悠「……すいません、87キロです」

灼羅「それでも87も有るんじゃな」

悠「金剛みたくもっと筋肉搭載したいんだけどな……。なかなか100いかないんだ。あー……ガチムチになりたい」

亘理『悠ちゃんはそのままでいいよぅ……。そのままがいいよぉ~。』

千世子「狐火や鬼火は陸上で見られる火だが、水のうえでも怪火は見られるのだ。有名な物は、九州の有明海や八代海でみられる「不知火」なのだ。旧暦八月、今でいう八月下旬から十月上旬の期間、風のない夜の海に、赤い光が無数に浮かぶ現象が不知火なのだ。近くに船をこぎ出しても見えず、小高い山のうえからよく確認できたというのだ。以上、狐火のじゅぎょーだったのだ。」

フェイト「シラヌイって妖怪?」

悠「いや、冷えた水面と温かい大気の間にできる温度差によって、遠くの漁火などが無数の屈折象を作る、一種の蜃気楼だ。」

なのは「へぇー、物知りなの!」
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