ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

ぴりりり……
ぴりりり……

摩耶「はーい?うん……いるけど?うん……ん?んー……いいよ。」

悠「どかしたか?」

摩耶「ちょっと、用事出来ちゃった。今日は僕、帰るね。」

悠「そうか、お疲れさん。」

摩耶「じゃあーねー。」

悠「……あー、おれの心のゆとりが帰ってしまった。」

亘理『私がいるぢゃん!』

悠「……」

亘理『な、なんだょぅ!その目は!!』

悠「義鷹」

義鷹「なんだ?」

悠「管理人ちゃん、どんな感じ?」

義鷹「ああ、電化製品のチラシとネット一番安くて性能がいいのを探しまくってるよ」

悠「おー、やるなぁ。」

千世子「教室にエアコンが着くのが楽しみにしつつじゅぎょーするのだ。」

【払子守&木魚だるま】
絵師が考えたオリジナル妖怪

神姫「……なんで隣に居るの?」

揺光【摩耶が不在の様なのでな借りとるだけじゃ。】
こしょこしょ…

悠「尻尾で遠距離攻撃するんじゃない」

千世子「江戸時代の中期、1750年前後に江戸で活躍した画家「鳥山石燕」は、妖怪画集「図画百鬼夜行」で、みずから考え出した新しい妖怪を数多く描いているのだ。」

なのは「鳥山石燕さんって、よく出てくるね」

灼羅「江戸は特に怪の話しが盛り上がった時期じゃ。そういった類の絵は、ある種貴重な娯楽でもあったんじゃ」

後楽「今の世は娯楽が溢れるけどな。」

悠「よーし、おっさん、手に持ったエロ本を今すぐ捨てろ」

後楽「仕事中だ」

悠「なんのだよ!!」

千世子「「払子守(ぼっこもり)」と「木魚だるま」もそのひとつなのだ。この二体の妖怪は、仏教の道具をモチーフとして、石燕が創作した妖怪なのだ。払子というのは、はたきのような形をした仏具で、修行者の煩悩を払うための道具なのだ。」

後楽「あとで貸してやるから」

悠「そんなもん…………内容次第だな。ちょっと、確認のため見せてもらおうか」

後楽「兄ちゃんも好きだなぁ。げひひ」

神姫「そこの俗物ども煩悩を払え」

千世子「木魚はお経を上げる時に叩く打楽器だが、不眠を象徴する魚をかたどったもので、修行僧をいましめる意味があるのだ。」

悠「え、これ……マジか」

後楽「この乳が中々な……」

悠「おー、21禁くらいだな……。ただ、なんで、全員尻尾生えてる?」

後楽「妖獣専門雑誌だからな」

揺光【艶本より本物が居るだろう】

悠「エロ本にはエロ本の良さがあるんだよ」

義鷹「取り込まれてるな…」

千世子「石燕はこのふたつの他にも、位の高い僧が着る衣が化けた襟立衣、お経そのものが化けた経凛々(きょうりんりん)という妖怪をデザインしてるのだ。今日のじゅぎょーはここまてで続きは次回なのだ。」

悠「意外と面白いなこれ……」

後楽「兄ちゃんはもっと若すぎるのがいいのかと思ってたんだがイケる口か」

要「あーゆー変態には近づいたらダメだぞ」

千世子「あんちんは変態じゃないのだ!淫獣なのだ!」

神姫「今すぐそれ忘れなさい……。そっちの二人もね」

フェイト「あ、はい」

なのは「わかったの」
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