ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「んっ……んん……」

摩耶「そんなに首揺らすと外れるよ?」

義鷹「着脱式なのか」

悠「おれはアンパンマンじゃねーよ。痛っっ…」

千世子「全員揃ったところでじゅぎょー開始なのだ。」

要「のっぺらぼうの授業だったよな」

千世子「そうなのだ。要にーちゃんはちゃんと覚えててえらいのだ。」

要「はっはっは。」

千世子「のっぺらぼうは、顔のパーツが全くない妖怪なのだ。何もない顔をひとに見せることによって、人間を驚かせるのだ。同じように全部じゃないけど、顔の一部パーツの欠けた顔を見せて驚かせる妖怪にはかなり多くの種類があるのだ。」

摩耶「こっちはどうなの?」

コツコツ…
悠「ずおおぉぉ!?傷口ど真ん中をつっいちゃらめ~!!」

亘理『どんな感触だった?』

摩耶「コリコリしてた。肉の感触が極薄だった。」

悠「避妊器具みたいないい方止めてくれない?それに僕は生がすー……」

神姫「……」

後楽「あっちのねーちゃんがめっちゃ睨んでるぞ」

摩耶「もしかしておでこの肉ないの?」

悠「無い事はないけど、なんか螺旋描いて石を飛ばしたらしくて額の骨の所まで肉をミンチ状に削れてるらしい。」

雨「お前の頭って何でできてるの?」

悠「骨だよ」

千世子「代表的なものには、目玉が二つじゃなくひとつしかない「一つ目小僧」があげられるのだ。目と鼻が無く、歯が真っ黒に塗られた口だけがある妖怪「お歯黒べったり」も、外見の奇怪さではのっぺらぼうといい勝負なのだ。」

揺光【しかし、色男が台無しじゃのぅ。顔中傷まみれではないか】

悠「もともと、大した顔じゃない。今さら傷が増えようが火傷しようが問題なし」

義鷹「ひゃは、確かにな。」

亘理『むっ!』

ゴンっ!
義鷹「痛っ!何しやがるこのアマっ!!」

亘理『悠ちゃんの顔がどんなになろうと大丈夫だよ!』

摩耶「それに、基本は髪で見えないしね。」

悠「ブラインドヘアー」

雨「ただの貞子髪でしょ」

千世子「また、変わったところでは「尻目」という妖怪が、江戸時代中期の俳人「与謝蕪村」の書いた絵巻で紹介しているのだ。これはおしりの穴に目玉がハマっているという妖怪で、ひとに会うと服を脱いで全裸になり、尻の目を雷の様ように光らせておどろかすというのだ。」

悠「長い棒かなんかで突いたら即死だろうな」

摩耶「最悪の死に様だろうね。」

要「キミら、こういうときは授業に喰いつくな」

悠「ちゃんと聞いてる証拠さ。」

摩耶「そーそー、悠君が下ネタ大好きだから味方してあげてるだけとは愚痴らないよ」

悠「いってるよ……。」

千世子「じゃ、今日のじゅぎょーはここまでなのだ」

要「一応、ノートとってるだな」

悠「このくらいは余裕さね。写すなら貸してやるぞ」

要「いや、いらないし。」

後楽「甘いな兄ちゃん」

要「え?」

悠「なのは、貸してやろうか?」

なのは「いいんですか?」

悠「ちょこはバンバン書いてバンバン消してくから写すのも一苦労だろ。フェイトといっしょに活用してくれ。」

フェイト「ありがとうございます」

後楽「な?」

要「よし、夜道で襲うか。」

悠「なんでやねん」
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