ｰ壱階休憩所ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

メフィスト「オォ～、悠サンが届けてクレマシタカ!!」

悠「えぇ、まぁ……これです」

メフィスト「おっほ～!!」

義鷹「ヒャハ!簡単なお仕事だっただろ?」

悠「めっちゃ　怖かったけどな。っか、ちゃんと内容説明しといてくれよ。もうちょっとで警察行きだったんだぞ」

義鷹「そいつは悪かった。オッサン、金払ってやれよ」

メフィスト「もっちロンデース!」

悠「いいよ。なんか、こんな事で金もらったらバチあたりそうだし」

メフィスト「ほほぅ、無欲な方ですね」

悠「そーでもない。ただ、呪いの品を持ってきて金もらうって流れが嫌なだけ。」

メフィスト「これは別に呪われてる訳ではないデースよ?」

義鷹「なんなんだそれ?」

メフィスト「ウィジャ磐やコックリサンはご存知かな?」

悠「交霊術とかに使う文字盤?」

メフィスト「オフコース!この切れ端は、そういった交信をオール行える物なのデス!」

悠「つまり……万能召喚書みたいな感じっすか?」

メフィスト「勿論、試してみないと分かりませんが……さっそくチャレンジです!」

義鷹「おい、おっさん。この前のこと忘れたのかよ……。あんなもん呼んだんだぞ」

マサライ【アンナ物とはワタシの事か?】

悠「まーまー、二人ともやめろって。マサライも馴れたか?」

マサライ【ココは緑もアル。土地霊との会話もタノシイ。ユウのおかげだ。】

悠「おれのじゃなく皆のだよ」

マサライ【ソウダたな。】

メフィスト「ムンッ!」
バリン!!

義鷹「あ……封を解きやがった」

メフィスト「さて……悠さん、ぜひ一番手を試して見てください」

悠「お、おれ?」

メフィスト「アナタの欲しい者を召喚していいのデス。ささっ、お礼とでも思ってください。」

悠「なんか、めっちゃ怖いんだけど」

メフィスト「怖くない。怖くないよ～。ちょーっと、指で紙を触ればいいだけデス」

悠「……いや、やっぱりやめとき…」

亘理『なーにやってんのー!』
トンっ

悠「あっ……」

メフィスト「おっ!来ますヨ!」

バシュ!!ボンッ!!

袈裟服のおっさん「うぃ～……ひっく、呼んだ?」

小悪魔的な何かが出てきてエッチなことしてくれるかと内心期待していましたが見知らぬおっさんが出てきました。

悠「チェンジ。お帰りください!」

べしべしべし!

メフィスト「おや……紙から魔力が無くなってますね」

義鷹「どーやらハンパ物だったらしいな」

悠「おかえりください!おかえりください!」

袈裟服のおっさん「おじさん帰る場所がないんだ。酒と賭博がやめられなくて無職で妻と子供にも逃げ出され……もう帰っていい場所なんてないんだ。おじさん、ホームレスなんだ。ははは。キミはおじさんを寒空の下に放りだしたりしないよな?」

悠｢……｣

僕は確信した。このままでは何か良くないものに憑かれてしまうと……逃げようとしたその時、いつの間にか隣に回り込まれ肩を抱かれた。

袈裟服のおっさん「よし、寝床と飯ゲット」

悠「速いっ……そして捕まった?!」