ー奇談ー學校へ行こう3

ー無縁仏集合墓地ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業ではなく、縁を失い埋葬された行った者達の安眠場所……。

悠「怖っっっわ!?なに、この半端ない怖さ。ココ副都心だよね。何この苔まみれの無数の墓石は……怖っっっわ!!っーか、人の気配ないし……。こんな夜の墓場で謎の紙を探すってこと自体おかしいんだよ!なんで、おれ、やるっていったんだよーーー!!そして、そろそろ叫び疲れて息切れする!静かになったら怖い!絶対嫌な静けさがっーーー」

「うるさい」

悠「きゃーーでたーー!!」

「やかましいわ!!静かにしろクソガキ!!」

悠「す、すんません」

髭坊主「ったく、こんな時間に騒いでおるから酔っ払いかと思ったら、幽霊か。経を唱えてやるから大人しく成仏せい」

悠「誰が幽霊だ。ピッチピチの人間じゃい。そっちこそ……誰?」

住職「わしゃ、ここの住職じゃ。人間ならさっさと出ていけ。夜中に墓で騒ぐとは罰あたりな」

悠「え、あー……」

住職「なんじゃい。用事でもあるのか?ここは無縁墓地じゃぞ。」

悠「用事があるといいますか……。」

住職「なんじゃ、人には言えんような事をするつもりだったのか」

悠「いや、そうじゃなくて……なんて、説明したらいいのか」

住職「怪しい奴だな……警察に突きだすか」

悠「おいおい、止めてくれよ」

住職「じゃあ、何をしていた」

悠「だからそのー……」

住職「言えないのか。やはり、警察に……」

悠「あー!待って待て!おれは義鷹って奴にこここに来るように言われたんだ。」

住職「なに?」

悠「えーと、だから、ここで何か紙を探して来いっていわれて」

住職「すると……もしや、お前、鎮伏業者か?」

悠「いや、おれはただの学生だ。鎮伏業の奴に頼まれて代わりに来た。」

住職「なんじゃ、それならそうと早くいわんか、これを持っていってほしい」

悠「なんだこれ……ガラスにはめ込まれた紙?」

住職「呪いの札だ」

悠「うわあぁっ!」

住職「馬鹿もの!!落とすなよ!」

悠「っとと、セーフ。って、触っちゃったよ?!」

住職「封は施してあるわい」

悠「あ、そうなんだ。それで、これをどうしたらいいんだ?」

住職「メフィスト・レスっという御仁に渡してほしい。なにやら奇特な御仁でいわく憑きな物を引き取ってくださるのじゃ」

悠「あー……なるほど、そういうことね。分かった。任しといてくれ、ジイさん」

住職「うむ。しかし、努々、気をつけろ。封を施してあるが、その札は人を惑わす。」

悠「惑わす?」

住職「その札を見てしまうと幻をみたりするそうじゃ。」

悠「あー……大丈夫だ。その対策なら義鷹に聞かされてる。」

住職「対策何ぞあるのか?」

悠「幻影や目眩ましの類は波長をずらして見せるものらしい、おれは今、左側の目が見えて無いのと、三半規管がズレてる。だから、幻影は見せられないんだ。」

住職「ほぉ…」

悠「多分だけどな。でも、この札が封されて無かったらきっとグワングワンに……」

住職「もう一度、日本語で説明してもらえるか?」

悠「分かってないのかよ……。っか、日本語だったよ」

住職「分からんわ」

悠「これだから年寄は……。」

ピリリ…
ピリリ…
住職「おっと、メールじゃ。」

悠「スマホだと……?!」
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