ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

義鷹「お前、それ、包帯の下は目は見えてるのか?」

悠「目は見えてるただ骨が逝ってるから開かない。」

義鷹「難儀だな」

悠「人間だからな。簡単には治らないさね」

義鷹「ひゃはは。人間、人間か。」

悠「なんで笑われたか解りませんが……王手詰み」

義鷹「げっ……。」

雨「凄いわね。一度も白を星が無いって」

亘理『やーい、雑魚~』

義鷹「お前なぁ…」

悠「どうだ。雨、やるか?」

義鷹「おー、やれやれ。」

雨「仕方ないわね。やってあげるわ」

千世子「はーい、後ろで将棋してるのは無視してじゅぎょーするのだ。」

摩耶「逞しくなったね~」

要「いい方向に逞しくなって無い気がするのは気のせいかな。」

摩耶「何かを一点に突きつめれば塵も山になるよ」

神姫「塵の山なんてごめんだけどね」

千世子「河童が人間から引っこ抜くという謎の器官、尻子玉。もちろんそんな器官は人間にはないのだ。けど、昔の人々は本気で尻子玉の存在を信じていたのだ。」

揺光【尻から抜かんでも、ど真ん中を貫いて心臓を抜きとった方が速いわい】

悠「リアルハートキャッチ」

雨「日曜朝八時から流せないわよ」

悠「モザイク八割、二割宣伝で」

義鷹「なんだそりゃ…」

千世子「その理由は、溺れて死んだ人間の死体を見ればわかるのだ。溺死した人間は、肛門を絞めている括約筋がゆるみ、肛門のまわりにぼっかりと穴があいてしまうのだ。」

悠「拡張プレイ」

神姫「……」
ヒュパッ!

悠「ギャン!?」

義鷹「無事な右半身狙ってるところがさすがだな」

悠「いやいやいや、おもっくそ、肩にえんぴつ突き立ってるんですけど!!」

千世子「これがまるで肛門の近くから何かを引き取られたように見えるのだ。昔の人々はこの姿から、肛門に尻子玉という器官があると想像し、溺死者は「河童に尻子玉を抜かれたに違いない」と考えるようになったのだ。」

悠「ちょ、このえんぴつ抜いて!」

義鷹「ほれ。」

悠「ったく、突き刺すならともかく、突き立つ勢いで投げるなよな……。」

雨「ついでに王手」

悠「むっ……これは、マズイ」

千世子「なお、河童が人間の肝を好んで食べるという伝承も溺死者の姿から来ているのだ。死した人間は、腹部にある内臓が腐敗して体内にガスがたまり、お腹が異常に膨れあがるのだ。そして腐敗した内臓は溶けてしまうのだ。」

摩耶「あ、僕昔、海で腐乱死体みたことあるよ」

要「ナニ情報……?」

神姫「歩く死体もいるけどね。ここには」




ー廊下ー

忌野「ハックションボケッ……!」

冥「風邪なのナ?」

忌野「イヤ、ソラないやろ。」




ー教室ー

要「確かに……。」

悠「忌野さんは骨だから動く骸骨じゃないか?」

神姫「死体は死体でしょ」

千世子「溺死者の内臓が無いのを見た人は、河童が肛門から内臓を引き出して食べてしまったと考えたのだ。以上、河童のじゅぎょーだったのだ。」
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