ー奇談ー學校へ行こう3

ー壱階休憩室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「はぁー……。寒くなったなぁ。」

冥「寒いのは苦手ニャ」

悠「おれもですよ。」

冥「そうなのナ?」

悠「苦手も苦手。冬なんか無くなればいいと思ってるし」

冥「筋金入りなのナ」

忌野「贅沢なヤッチャ。ワシなんぞ寒さも感じンよォなってもーたぞ。ワレ」

悠「なんか、すんません」

忌野「にーちゃんに言うてもしゃーないけどな……ところで、誰ヤ?」

悠「小鳥遊悠です。っか、わざと?」

冥「ニャははは。」

悠「ズズ……ふぅ。管理人ちゃんの淹れるお茶は本当に美味しいな」

忌野「小猫は上手なんや。ほれ、アメちゃんヤろ。」

冥「おーきになのナ!!」

千世子「あー!」

悠「あー?」

千世子「あんちん!また、ここに居たのだ。」

冥「こんばんはなのナ」

忌野「おう、小娘。今日も元気そヤなァ」

千世子「こんばんわなのだ!千世子は元気なのだ。」

忌野「ほーか、ほーか、ヨシャ、アメちゃんヤろ。」

千世子「おおきになのだ!」

悠「よかったな」

千世子「えへへ。じゃ無くて!教室いくのだ!」

悠「へーへー、わかりましたって」

冥「頑張るのナ~」

カタンカタン
マサライ【冥】

冥「ニャ?」

マサライ【玄関前に客ガ来テルゾ】

冥「お客さんナ?」





ー玄関前ー

頭巾の猫「夜分に失礼しやす」

冥「あら、こんばんはなのナ」

頭巾の猫「すいやせん、急にお邪魔して」

冥「構わないのナ。どうかしたかニャ?」

頭巾の猫「へぇ、それが……ここ最近、若い野良の縄張り争いが酷くなりやして。」

冥「ニャはは。みんな元気なのナ~。」

頭巾の猫「はは……。」

冥「それで私に一度話をつけて欲しいってことかナ?」

頭巾の猫「お恥ずかしい限り、その通りでさぁ。」

冥「うーん。けど、私が出ていっても仕方ない気もするニャ。」

頭巾の猫「冥さん以外に、誰がいるっていうんでさぁ。そこいらの奴らじゃ、余計に火に油ですぜぇ」

冥「うーん……。あ、いい方がいるニャ」

頭巾の猫「え、だ、誰です?」

冥「ニャはは。秘密ナ。ただ、物凄い方だから大丈夫ナ。」

頭巾の猫「その方はどちらに?」

冥「後で私からいっといてあげるから、また、明日くるニャ。もし、その方がダメだったら私が行ってあげるしニャ」

頭巾の猫「冥さんがそうおっしゃるならお任せしやす」

冥「お茶でもどうかナ」

頭巾の猫「家で母(かかぁ)とガキが待ってやすから、また、後日いただきやす。そんじゃ、しつれいしやす」

冥「気をつけてなのナ~」

揺光【妾の出番のぅ。】

冥「よろしくお願いしますナ。」

揺光【コンコン♪】
77/100ページ
スキ