ー奇談ー學校へ行こう3

ー壱階休憩所ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

ヌヌヌッ…
揺光【騒がしいの何の祭りじゃ?む?】

マサライ【ナラ……私(コレ)はドウナル…村人が滅ビ、知らずにココニ在る私ハ……!?】

悠「……」

マサライ【ソウダ!!今の私ハヨリ多くのイケニエヲ!滅んだ者達へのミツギ者として送ル!ソレガ…私の在り方!!】
グッ!

義鷹「ヒャハハハ!!いいなァ!!それ!簡単で愉快で解りやすい解決方だ!!俺に勝てたらココにいる全員の命をくれてやる!!」
ごぎぎぃ!

美兎「かってな事を」

メフィスト「ミーは逃げますガネ。」

亘理『……』

義鷹「俺が勝ったら泣きながら俺に食われろっ!!」

悠「ち、ちょっとま…」

マサライ【があぁ!!!】

義鷹「ひゃはは!!」

掴みあいの殴り合い蹴りあいが勃発した。
双方技という物は一切使ってない文字道理「掴みあいの殴り合い」だ。

悠「おいおい…」

メフィスト「大丈夫デスよ。小鳥遊クン。いくら「マラサイ」が「強力な霊」であったとしても、それは南方での事。他国の神が支配する神域では使える力も限定されてきます。ましてやあの「マラサイ」この国に来てまだ日が浅いその上、目覚めたばかりとなると、人を殺める力すらあるかどうか…。」

悠「……」

揺光【ふぅむ。例えそれが悪魔には解っていようとも……「楯」になって貰えば他人は「楯」に感謝するものぞ。】

義鷹「メフィストオォォ!!そろそろ喰うぞ。あきたしな。」

義鷹の手は爬虫類の鱗で覆われ、猛禽類の爪を足したような異形の者の手になっていた。バギボギと肉と骨が折れたり千切れる音がした、手のひらから二の腕までがバックリ裂けて無数の牙が生え出し、大きな口に変貌を遂げていく。
鵼とは合成獣。手足も身体も無いのだ。どこでも口であり、目なのだ。

おれはとっさに義鷹の肩をつかんだ。

悠「ちょ、ちょっと待ってくれ。義鷹」

バギッ!!人間の手の側の肩を掴んで良かった。ノーモーションで俺の右頬に裏拳がめり込んでぶっ飛んだ。吹きだす鼻血と飛び出す目玉(嘘)、ピカソ作品のように貌のパーツが崩れ、壁に突き刺さる。

美兎「悠ーーー!!」

冥「うわーー悠ちゃーーん!!」

義鷹「ん?んん?」

亘理『……』
てこてこ……

義鷹「どした。なにがあった?」

亘理『……』
素(す)っパアァン!

マサライ【!?】

義鷹「っ……」

亘理『大丈夫?』

悠「な、なんとか…」

義鷹「ギニャーー!!ナニしやがるこのクソ女!!」

美兎「まぁまぁ」

マサライ【???】

義鷹「何で俺が!打たれたんだ!あぁ?あ゛あ゛あ゛!」

美兎「わかってたと思うけど戦闘中に義鷹に近寄っちゃだめよ。無意識の攻撃が飛んでくるから。」

悠「把握。っか、義鷹、あのさ……まってやってくれよ。おれの目のまえで人の形したもの殺すのは止めてくれ」

義鷹「お前、アイツはアレだぞへびの……」

悠「お前らみんなそうだろ?」

義鷹「……」

美兎「……」

メフィスト「ほぅ…。」

揺光【コンコン♪前に妾にもいいおったな。】

義鷹「ひゃは……。ああ、わかった。殺さねぇよ」

悠「ありがと」

冥「「學校」にようこそニャーー!!」

マサライ【が、ガッコウ?ニャ?】

冥「そうニャ!この場所は人生の変更点ニャ。色々なことを學び直せてぇ、ゼロからやり直せる変更点ニャ。黒は白へ。死は生へ。善人は悪人に。無から有を作りだす場所!それがこの場所ニャ!!だからキミはここに居るニャ。」

マサライ【……オマエは受ケナクテイイ痛みを私の代わりに受けテクレタ。】

悠「え?ぁあ…」

マサライ【私はイマカラオマエの痛みヲ受ケル「楯」トナル】

悠「いやいや、守ってくれるんなら、ここに居る皆も一緒に頼む。みんなおれと一緒で……「ここに居る者」だからな」

マサライ【……ワカッタ。が、アイツはキライだ!】
ビシッ!

義鷹【ケケケケケ!】

悠「はぁ……」


「生きる目的」というものは、すぐに変えられる物なのだろうか?どんな気分なのか?おれにはまだわからなかった。
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