ー奇談ー學校へ行こう
ー教室(12/5/夜)ー
夜の廃校の一室で今日も(ためにならない)授業が始まろうとしていた。
自称教師を名乗る千代子は出席簿と書かれたノートを開いた。
千代子「じゃあ、点呼とるぞー。悠のあんちん」
悠「へいへーい」
千代子「まーや」
摩耶「はーい。」
千代子「くずりゅう神姫……は、お休み」
悠「え、なんで神姫まで加わってる?」
千代子「一度ここに来たらみんな千代子の生徒なのだ。」
悠「いやー、神姫はどうだろうなぁ」
摩耶「ね、ね、神姫さんって本当に悠くんの彼女じゃないの?」
悠「前もいっただろ。知り合い以上友達未満だよ」
摩耶「ふーん」
千代子「はいはぁい、授業しますよ!今日はこれ!」
千代子は黒板に文字を書き出す。
【聖ゲオルギウスのドラゴン】
生息地域:リビア
出典:キリスト教の伝説「黄金伝説」
千代子「名前もないのに有名人。これは「黙示録の赤い竜」でも授業をしたように……キリスト教におけるドラゴンはどんな扱いだったか。まーや!」
摩耶「はい、ちょこせんせー。悪の象徴とされるのが一般的です。」
千代子「うん。正解だ。このためか、キリスト教の伝説には「キリスト教の信者がドラゴンを退治し、聖人になった」物語がいくつもある。ドラゴン退治の伝説のなかでも、とくに有名なのが聖ゲオルギウスによるドラゴン退治しの物語である。」
摩耶「あぁ…聖ゲオルギウスって人の事なんだね。聖ゲオルギウスがドラゴンの事じゃなくて」
悠「名称がないから聖ゲオルギウスのドラゴンなんだよ」
千代子「この物語は、その昔、北アフリカのリビアに毒を吐く巨大な悪竜がいた。この竜の姿に関する記述はまちまちだが、この物語をモチーフにした絵画などでは翼がある黄緑色のとかげとして描かれる。足は二本の場合も四本の場合もあり、翼には蛇の目紋があることが多い」
摩耶「蛇の目紋?」
悠「真っ白の縦長の丸の中に黒い円がある感じのだ」
千代子「この凶暴な竜は付近の街を荒し、人々は毎日羊を二匹ずつ差し出すことによって、なんとかその魔の手から逃れていた。しかし、ついに羊が街からいなくなってしまい、街の人々は人間を生け贄にすることになってしまった。くじ引きで生け贄を決めた結果、選ばれたのは偶然にも国王の娘だった。国王は城中の宝石を差し出すことで娘を生け贄にしないように頼むが、怒り狂った民衆はそれを拒否し、無理やり娘を竜の生け贄にしようとしたのである。」
摩耶「うーん、フォローできないね」
悠「国王の気持ちも解らんでは無いけどな。」
摩耶「そこはじゃあ国王自ら生け贄になるとかあるんじゃないかな。まぁ、僕はそんなふうに命を掛ける人間は大嫌いだけどね」
悠「どないしろと…」
摩耶「あはは。なんでもかんでも命を掛けるなって事だよ死ななかったからいいとかじゃなく、まずそれをしないようにするのが大事でしょ?」
悠「言いたいことはわかるんだけどなぁ…」
千代子「はいはーい、今日の授業はここまででーす。」
夜の廃校の一室で今日も(ためにならない)授業が始まろうとしていた。
自称教師を名乗る千代子は出席簿と書かれたノートを開いた。
千代子「じゃあ、点呼とるぞー。悠のあんちん」
悠「へいへーい」
千代子「まーや」
摩耶「はーい。」
千代子「くずりゅう神姫……は、お休み」
悠「え、なんで神姫まで加わってる?」
千代子「一度ここに来たらみんな千代子の生徒なのだ。」
悠「いやー、神姫はどうだろうなぁ」
摩耶「ね、ね、神姫さんって本当に悠くんの彼女じゃないの?」
悠「前もいっただろ。知り合い以上友達未満だよ」
摩耶「ふーん」
千代子「はいはぁい、授業しますよ!今日はこれ!」
千代子は黒板に文字を書き出す。
【聖ゲオルギウスのドラゴン】
生息地域:リビア
出典:キリスト教の伝説「黄金伝説」
千代子「名前もないのに有名人。これは「黙示録の赤い竜」でも授業をしたように……キリスト教におけるドラゴンはどんな扱いだったか。まーや!」
摩耶「はい、ちょこせんせー。悪の象徴とされるのが一般的です。」
千代子「うん。正解だ。このためか、キリスト教の伝説には「キリスト教の信者がドラゴンを退治し、聖人になった」物語がいくつもある。ドラゴン退治の伝説のなかでも、とくに有名なのが聖ゲオルギウスによるドラゴン退治しの物語である。」
摩耶「あぁ…聖ゲオルギウスって人の事なんだね。聖ゲオルギウスがドラゴンの事じゃなくて」
悠「名称がないから聖ゲオルギウスのドラゴンなんだよ」
千代子「この物語は、その昔、北アフリカのリビアに毒を吐く巨大な悪竜がいた。この竜の姿に関する記述はまちまちだが、この物語をモチーフにした絵画などでは翼がある黄緑色のとかげとして描かれる。足は二本の場合も四本の場合もあり、翼には蛇の目紋があることが多い」
摩耶「蛇の目紋?」
悠「真っ白の縦長の丸の中に黒い円がある感じのだ」
千代子「この凶暴な竜は付近の街を荒し、人々は毎日羊を二匹ずつ差し出すことによって、なんとかその魔の手から逃れていた。しかし、ついに羊が街からいなくなってしまい、街の人々は人間を生け贄にすることになってしまった。くじ引きで生け贄を決めた結果、選ばれたのは偶然にも国王の娘だった。国王は城中の宝石を差し出すことで娘を生け贄にしないように頼むが、怒り狂った民衆はそれを拒否し、無理やり娘を竜の生け贄にしようとしたのである。」
摩耶「うーん、フォローできないね」
悠「国王の気持ちも解らんでは無いけどな。」
摩耶「そこはじゃあ国王自ら生け贄になるとかあるんじゃないかな。まぁ、僕はそんなふうに命を掛ける人間は大嫌いだけどね」
悠「どないしろと…」
摩耶「あはは。なんでもかんでも命を掛けるなって事だよ死ななかったからいいとかじゃなく、まずそれをしないようにするのが大事でしょ?」
悠「言いたいことはわかるんだけどなぁ…」
千代子「はいはーい、今日の授業はここまででーす。」