ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「あれ、美兎は?」

義鷹「今日は原稿の方に集中するって言ってたな」

悠「そうか。せっかくペン買ってきたのに」

義鷹「ペン?」

悠「おれが愛用してるボールペンなんだけど。前書きやすいっていってたから買ってきたんだよ。100円均一でだけど」

義鷹「ふーん。」

悠「渡しといてくれるって?ありがとう」

義鷹「何にも言った覚えは無いが……」

悠「気にするな」

義鷹「まぁいいけど」

亘理『私には?』

悠「なんもないよ。」

亘理『なでだよぅ!』

悠「こっちの台詞だよぅ!」

義鷹「お前らも飽きないよな……」

揺光【どれ、じゃあ、今日は妾がじきじきに相手をしてやろう。駒をならべい】

義鷹「この野郎。舐めやがって……いいぜ、吠えづらかかせてやる!!」

雨「バリバリの負けフラグ」

千世子「はいはーい、注目なのだ。じゅぎょーするのだ。」

摩耶「ふあぁ……」

花描「どした。珍しく寝むそうだな。」

摩耶「ちょっと、夜遊びしすぎて」

千世子「昨日は山姥誕生説のひとつが終わったところで、今日は二つ目なのだ。山姥は日本にもともと住んでいた土着民であるというものなのだ。」

要「摩耶君が夜遊びって……なにしてた?」

摩耶「出歩いてたとかじゃなくて、ずーっとゲームしちゃってたんだよ。」

千世子「その昔朝廷は自分たちに従わない民族を討伐し、屈服させてきた歴史があるのだ。山姥とは朝廷の支配から逃れるために山に逃げた土着民の末裔だというもなのだ。」

花描「なんのゲーム?」

摩耶「与作の一揆」

要「古っ!?しかもクソゲー!?」

千世子「第三の説は、精神病にかかった女性が山に行き山姥になったという物なのだ。昔は出産前後のアクシデントで精神を病んだ女性が山に隠れることもあったようなのだ。」

悠「妖怪化はいろんな説があるな」

亘理『わ、私は出産とかしてないからねっ!!』

悠「なんもいっとらんがな」

なのは「質問です」

悠「どした?」

亘理『なに?』

要「なんでお前らが答えようとしてるんだよ」

千世子「なんなのだ。」

なのは「山姥はお婆さんの姿ばっかりなの?」

悠「美人の山姥ならおれはいくらでも襲われたいな。山小屋でとか燃え……」

スッ……パシュ!!

神姫「……あ、外した」

悠「ぴっ、ぴぃぃ…前髪一部持ってかれたぁ…」

摩耶「爪の方かぁ」

神姫「こっちのが実は出しやすいのよね」

千世子「はいはーい。ホコリが立つから暴れないでくださいなのだ。質問のこたえは。山に住む若い女の妖怪ということになるので、山姥から山姫や山女郎と名前が変わるのだ。」

フェイト「別の妖怪なの?」

千世子「そうなのだ。山女の姿は地方によってまちまちなのだ。地面に着くほどの長い黒髪で、色白、非常に美しい姿をしていることが多いようなのだ。腰みのようなものをつけた半裸の姿や、十二単を着てあらわれることもあるのだ。山女は山姥と違って、人間と友好的な話しはほとんどしないのだ。ほとんどの場合、山女は「生き血を吸う」「出逢った人間を病気にし、殺してしまう」といった、残酷で怖い妖怪なのだ。以上、山姥のじゅぎょーだったのだ。」
67/100ページ
スキ