ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

千世子「みんなー来てるのだ?」

摩耶「いるよー」

千世子「さっき、忌野さんに追いかけられて廊下を走ってたあんちんは生きてるのだ?」

悠「今のさっき二度目の死に直面しかけたよ。」

千世子「生きてるならいいのだ。」

揺光【そうそう。とりあえず生きてたらいいじゃ】

神姫「そうね。生きてたら何してもいいのよ。」

悠「おーい、そこのひとりと一匹さん、ぴよこに妙な事、教えんで下さい」

花描「教育的に悪いのしか居なさそうだけどな」

摩耶「情操教育の観点からしたらいいかもしれないよ逆に」

雨「逆に逆にっていうけど、逆だと、なんなのって思うのは私だけかしら。」

千世子「うん。今日もみんな全力で自由むき出しなのだ。それじゃ、じゅぎょーするのだ。」

【山姥】
人を殺すか、助けるか

悠「ぴよこの性格がどんどこシビアになってくる気がする」

義鷹「ガキなんてそんなものだろ。興味が無くなったらすぐにポイだ。」

悠「あー……確かにそうだな。」

美兎「なに、経験あるの?」

悠「おれがそうだったからな」

美兎「へー」

千世子「「山に老婆の妖怪が住んでいる」という伝承は、全国各地にあるのだ。この山に住む老婆は「山姥」、あるいは「やまんば」と呼ばれているのだ。」

亘理『山か~山いいな~』

悠「富士の樹海とか」

美兎「それ、山じゃないわよね」

亘理『樹海って言ってるしね』

千世子「一般的な山姥の姿には「白髪」「目つきが鋭い」「色白」「口が耳元まで裂けている」という特徴があるのだ」。また山姥は大柄であることが多く、体長3メートルもある山姥が登場する伝承も残っているのだ。」

悠「義鷹、化けれるんじゃね?」

義鷹「そんな半端なもんになるならもっと完全に化け物になるな。」

悠「そっちのが確かに怖い。でも、おれは神姫のが怖い」

千世子「ほとんどの場合、山姥は恐ろしくて残酷な妖怪なのだ。この妖怪は山の山腹にある洞窟や小屋に住み、山に来た人間を襲って喰い殺してしまうのだ。」

神姫「ピクッ……」

摩耶「どかした?」

神姫「なんでも無いわ。若干イラっとしただけ」

千世子「民話「食わず女房」に登場する二口女など、おとぎ話しに登場する山姥はたいてい人を襲うのだ。」

義鷹「あの女、今の聞こえたみたいだぞ」

悠「え、マジで?」

義鷹「わずかに反応した。」

神姫「……」

千世子「人を襲う山姥の代表格は、東北地方南部、福島県県北にある安達ヶ原に伝わる山姥なのだ。「安達ヶ原の鬼婆」という名前で知られたこの山姥は、奉公していた姫の病気を治すために妊婦の生き肝を探していたが、謝って自分の娘を殺してしまうのだ。」

摩耶「失敗しなくても犠牲者でるよね」

花描「だよな。妊婦の生き胆探してたわけだし。」

雨「けど、肺も腎臓も二つあるじゃない」

摩耶「なるほど。」

要「納得できないから。」

千世子「あまりの失敗に発狂してしまった老婆は、それ以来安達ヶ原をとおる旅人を襲っては、生き胆を喰らうようになったのだ。今日のじゅぎょーは此処までで続きは明日なのだ。」

神姫「悠、ちょっと付き合いなさい」

悠「オーウ……ニゲラレナカッタ」
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