ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「よ～し～たか。しょーぎしょ」

義鷹「おう。いいぜ。今日こそ負けねぇ」

悠「おし、来い」

揺光【仲が善いのぅ。このままでは義鷹に悠を取られてしまうかも知れんぞ?ん?ん?亘理よ】

亘理『ど、どう、邪魔すればいい?』

摩耶「アピールするんじゃなく邪魔するところを選ぶのがなかなかだよね。あはは」

花描「笑い事となのか?」

雨「邪悪な心をむき出しにするから恋心なんじゃない?」

フェイト「恋って怖い?!」

なのは「怖くないと思うの。」

要「あそこの人らは特殊なだけだから話し半分に聞いとくといい」

揺光【何をいう。欲に忠実じゃから面白いのであろう。意中の者の身も心、我が物としたい事に何の恥があろうか】

灼羅「オヌシは自重しなさすぎじゃがな」

揺光【子狐ちゃんは初心じゃからのぅ】

灼羅「表に出るか?」

ピシッ……

摩耶「神姫さんが睨んでるからやめとけば?」

神姫「……」

揺光【コンコン♪龍に睨まれるとは怖や。怖や。】

灼羅「わっちゃは悪く無いのじゃ」

花描「しかし、アンタの場合、魅了が本分みたいな所だし」

灼羅「誑かしじゃろ」

揺光【コンコン♪誑(たぶら)かすとは否ことを妾の魅力に男が狂っただけじゃ】

摩耶「さらっと恐ろしいよね。」

亘理『一番の敵はこの人かも』

花描「人じゃないけどな」

揺光【妾は馬鹿は好きじゃ。欲に忠実な馬鹿わの。じゃから、亘理のことは好いておるぞ。邪魔はせんわい。】

亘理『誰が馬鹿だ―!』

摩耶「そういう意味じゃないと思うけど。……いや、そういう意味かな? 」

雨「じゃあ、悠なんか欲望の固まりじゃない」

揺光【あやつは欲の深さに段があり過ぎる。ときどき只の男になり下がるのがつまらん。もちろん、好みではあるがのぅ。コンコン♪】

花描「嘘臭いな」

摩耶「好きにもイロイロあるからね。崇さんなんかも悠君のこと(玩具的な意味で)大好きだろうし、デコちゃんも(献身的な意味で)大好きだろうし。多分、柏さんだって(殺したい意味で)大好きだろうから」

花描「その大好きは多分イロイロと間違ってる」

亘理『殺してでも奪い取るだ!』

摩耶「そのネタ、往年のロマサガファンじゃないと解らないよ。」

悠「誰だ!今ガラハドを殺してアイスソードを奪おうとした奴がいただろ!!」

花描「反応したやつがいたよ」

雨「なに、ガラハドって」

悠「ロマサガに出てくる戦士のひとりだ。バスターソード使いで、あるイベントでアイスソードを買いに行くだけど、ガラハドに買われてて、追いかけて話しかけたら『そう　かんけいないね』 『殺してでもうばいとる』『ゆずってくれたのむ！！』って選択肢がでるんだ。んで、殺してでも奪い取るを選ぶと……」

亘理『な、なにをする、きさまらー！』

悠「って、断末魔をあげて死ぬ。」

摩耶「なんて最後だろうね。」

悠「まったくだ。」