ー奇談ー學校へ行こう3

ー玄関近く休憩所ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

美兎「あら。こんばん」

悠「あ、ども。」

美兎「悠は本とか読む?」

悠「読むよ。っか、義鷹に聞いたけど、小説家なんだってな」

美兎「へぇー」

悠「あー?」

美兎「いや、義鷹がそういう話しするってめずらしくてね。それより、どんな小説書いてるかきいた?」

悠「エロ……官能小説」

美兎「エロ小説で良いわよ。その通りなんだし。」

悠「美人がエロ小説とか言ったらドキッとするからやめてくれ。」

美兎「そうやってくどいてんの?」

悠「まさか。おれモテませんもん。」

美兎「貞子とかにはモテそうだけどね。」

悠「あー……それに関しては心当たりがあったりなかったり…。」

美兎「あ、そうだ。暇なら感想聞かせてくれない?」

悠「え、なにこれ、生原稿?」

美兎「読者の反応がいまいちわかんなくってさ。」

悠「じゃあ、遠慮なく……。」

要「ちゃーす」

美兎「どーも」

要「なにしてんだ?」

悠「んー……エロ小説読んでる。」

美兎「書いた小説読ませてる」

要「兎がエロ小説……そっかー、そんな時代が来てたかー……。」

美兎「あのさ、兎が万年発情してるとか思ってるかもしれないけど、それは人間種だけだから」

悠「ちょ、ちょっと待て!!」

美兎「な、なによ?」

要「どーした」

悠「も、もしかして、美兎……いや、美兎さんは…………ラヴリーラビットさんですか?」

美兎「その名前でよぶんじゃねぇぇぇ!!」

後から聞いた話ですが、デビューしたての一番つらかったころ、編集長にかってに付けられたペンネームで呼ぶとキレるそうです。

悠「そ、それはスマン!けど、美兎って……エッチなお姉さんは好きですか?シリーズの作者だったんだな。」

美兎「へー、知ってんだ。」

悠「知ってるもなにも大ファンだ。お願いですサインください。」

美兎「いいわよ。そのかわりちゃんと感想聞かせてよ」

悠「まかせてくれ。」

要「なんか、よかったな」

悠「おうよ。マジでびっくり感激だ。」

美兎「そんな喜ばれたら……引くわね。っていうか、変に敬語とかになるのは止めてよね。」

悠「うーむ、それはスマン。敬語の件も了解。」

美兎「さて、じゃ、感想聞く前に腹ごしらえ行こうかしら」

悠「飯食いに行くならおれも行くわ。」

美兎「なに、おごり?」

悠「生原稿とか見せてもらえるからな。要ちんはどーする?」

要「俺はやめとくよ」
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