ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

ゾンビ「……」

悠「ぅ…ぇ…ぁあー?」

ゾンビ「オゥ!ワレ!みん顔やな。ワシの長ドス知らんケェ?」

悠「しっ!りませ!!」

ゾンビ「ほーか、邪魔したのぉ。」

雨「げっ!忌野(いみの)っ!!」

忌野「あ゛!?何ンじゃいワレ!」

悠「ひーーっ……。」

千世子「が、ががが…がいこっ…なのだ」

摩耶「うわぁ……。所々肉があるのが生々しいね。」

花描「歩くたびガシャガシャ鳴ってるな」

亘理『誰!?』

忌野「んーー?あー…?蜘蛛のメスガキかい、ワレ!ワシの長ドス知らんケェ?」

亘理『……(キセル吸ってるけど色んなところから煙出てる…)』
引↓

雨「知らないわよ馬鹿。速く成仏しろハゲ!」

忌野「ワレ、口のきき方には注意せぇよ。」
チャカ!

悠「銃って…」

雨「ちっ!わかったわよ!」

忌野「そっちの見ン顔のネーチャンも知らんケェ?ん?」

亘理『し!知りませんでっす!』

忌野「……ほーか。エライ邪魔したの。」
ガシャガシャ…
ガシャガシャ…

亘理『だ……誰ぇ!今の!!』

雨「忌野娯楽(いみのごらく)。数十年前死んだ住人よ。たしか関西から逃げてきたヤクザの組長(アタマ)とか。」

冥「いいひとニャ。ちょっと忌野さん追ってくるナ」

悠「いいひと?」

雨「冥にはね、やさしかったよ。なぜか。でもねー他のやつらは嫌がってたよぉ。金かえさねーわ、物かえさねーわ、メシたかるわ、ボケてたからかな。だもんで死んだ時、義鷹(よしたか)が井戸ンなか捨てたのよ。」

「「「酷っい……。」」」

悠「義鷹?」

雨「肉体のまま地獄に送ったせいかどうかはわからないけど、たまーに井戸から出てきて、住民たちに聞いて回るのよ。長ドス知らんかー、長ドス知らんかーってね。」

悠「それって、長ドスが心残りで成仏でけへんのとちゃうん?」

摩耶「関西弁うつってるよ。」

雨「……そうかも。忌野がでたかー。アイツ、自分が何しに出て来たか忘れるまで居座るのよね~~。」

悠「長ドスか……。」

神姫「ねぇ。」

悠「ぅわっふー!?びっくりするやないけい!」

神姫「なにバカみたいな驚き方してるのよ。それより、さっき廊下で骸骨のジイさん、長ドス知らないかって尋ねられたんだけどなにあれ。」

摩耶「なんて答えたの?」

神姫「心当たりはありませんって。」

悠「あの存在を見てなんで冷静に返答できんねん。」

神姫「今さらあのくらいで驚かないわよ。」

亘理『すげぇ…。』
43/100ページ
スキ