ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「め～い～ちゃん♪」

千世子「ストップなのだ!」

悠「あー?」

千世子「あんちんは席から動かないでくださいなのだ。」

悠「なんで?」

千世子「冥ちゃんと遊んでばっかりだからなのだ。」

悠「そんなことねぇよ……なぁ?」

摩耶「え、自覚ないの?」

悠「わぁ……素の顔で返事された。」

千世子「なので、あんちんは自分の席に居るようになのだ」

悠「ガーン……」

亘理『そこまで落ち込む?』

悠「今日こそはあの尻尾をすりすりする気だったのに……」

冥「ビクッ!」

要「また引っ掻かれるぞ」

悠「引っ掻かれるのは本望だ。」

要「変態め。」

亘理『……』

悠「おれを変態といっていいのは性別女だけだ。」

摩耶「フェイトちゃん、ちょっと嫌かもしれないけどお願いしていい?」

フェイト「へ、ヘンタイ!」

悠「お、おふぅ!」

花描「ダメだ。喜んでる。」

要「殺すか」

摩耶「それはダ・メ♪」

亘理『……』

ガリリリ!
悠「ぎゃああ!!なにすんじゃい!」

亘理『引っ掻かれたいっていったじゃん!』

悠「猫にだよ!」

亘理『どれだけ猫好きなのよ!』

悠「そりゃ犬か猫なら圧倒的に猫ぐらい」

揺光【今のは聞き捨てならんのぅ】

灼羅「たしかにじゃ。」

なのは「どうしたの?」

雨「狐は犬科だからじゃないかしら。」

悠「くわしく言えば哺乳綱食肉目イヌ科。キツネ属。広くいえば、キツネ族のオオミミギツネ属、ハイイロギツネ属、イヌ族のカニクイキツネ属、フォークランドキツネ属、クルペオギツネ属なんかもあるけどな」

千世子「そのくらい千世子も知ってるのだ!!」

摩耶「ちょこちゃんは博識だね。いいこ、いいこ」

千世子「当然なのだ!」

揺光【そこまでくわしく知っておって猫贔屓とは……どういう了見じゃ?ん?のう?】

ギリリリ!
悠「お、おい…絞まってるっか、足浮いてるっ……」

冥「まぁまぁ、喧嘩しちゃだめなのナ」

神姫「火に油注ぐ訳じゃないけど犬と猫だと検索したら猫の方が出てくるわよね。ドラえもんとかキティとかで猫の有名どころも多いし」

揺光【ぐぬぬっ!】

ギリリリ
悠「うぐぐっ…お、おれの首を絞めてもどーにもならんし、おれのせいじゃないだろ今のは……」

灼羅「そろそろ離してやらぬか……悠の顔色が土色になりかかっておる。」

揺光【おお……すまん】

雨「猫や狐ならいいじゃない。蜘蛛なんか基本嫌われ者よ?」

摩耶「アメリカンヒーローがいるよ?」

雨「好みじゃないわね」

悠「なぁ、それでおれは冥を抱っこしてていいのかな?」

千世子「あんちんは頭の中か耳が悪いのだ?」

神姫「両方よ。」

悠「……」