ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

雨「私はそこまで難しいことは解らないけど。とりあえず普段人間に化けてる時でも妖力を使って自分の「人型」が崩れないように気は張って集中して化けてるわ。」

悠「え、ずーっと!?揺光もか?」

揺光【妾も「昔は」そうじゃった。今は逆じゃがな】

要「逆?」

悠「あ、要ちん達」

天空音「面白そうな話してるですね。」

悠「じゃあ、混ざっていきねい。いきねい。」

要「なにキャラだよ」

悠「江戸っ子?」

神姫「うるさい黙れ」

悠「すいません。」

揺光【妾は元の姿がもはやただの「狐」ではない「白面金毛九尾」が元じゃ。なので人の状態でないと……力が有り余り過ぎる。目立つしのぅ。妾はもう支配なんぞ興味がないし戰(いくさ)もつまらん。なら人に混ざり人の行く末を見るのが一興じゃ。】

花描「永い暇潰しだな」

揺光【コンコン♪じゃがその間に面白い出逢いもあるさ。】

摩耶「じゃあ、完全に化けれてる揺光さんや雨ちゃんのが灼羅ちゃんより妖力は高いの?」

揺光【そうじゃ】

灼羅「息を吐くように嘘をつくな!」

揺光【コンコン♪そこの子狐ちゃんは妖力……否、地力といった方がいいか。地力が空っぽなのじゃ。故に狐に入り行動しとる……というのが妾の見解じゃ。】

雨「何かに憑依しての場合は人間に近いとか最悪人間に憑けば元々のコストはいらないしね。」

悠「死体に乗り移るってのは魔法っか邪法っぽいな」

雨「そういうのは西洋魔術か亜細亜系統の術が多いわよ。」

揺光【西洋魔術師は変化の術を楽じゃな。むしろ、そういい術は西洋魔術の方がかなり進歩してると思うぞ。】

要「つまり、総合したら人間に化けてるのも気を張ってる訳だな。」

神姫「でも、この前蜘蛛に戻ってなかった?」


雨「「蜘蛛(元)」の姿に戻るということは残った妖力全部再生にもっていかないとヤバイ状態だったの。どっかの狐にほとんど妖力吸われてたし」

揺光【コンコン♪】

悠「けど、大したもんだな人妖ってのは。ちょっとした超能力を除けば人間と殆ど大差ないし。っか、それって本当に化けてるのか?」

雨「何それ、喧嘩売ってんの?」

悠「自覚があるのかってこと、別に人間にならなくても良いお前らがなんでずっと人間の姿で居られるかってことだよ。」

雨「はぁ?そりゃあ……がんばって世間に馴染むために、人間の姿保ってるんじゃない。」

悠「あのな。それを進化っていうんだろ。魚が陸に上がりたいと何代もかけて這い上がり、トカゲになって、空が飛びたいと思って何度も木から落ちて翼を得て、鳥になったように。猿が人間になったように。人間化して喜んでた毛だものが、よりうまく化かしてやろうと知らずに人間に進化したんじゃねぇのか?」

千世子「じゃあ、蜘蛛から進化した蜘蛛人間と狐から進化した狐人間ってことなのだ?」

悠「そこまではわからんけど」

雨「お前、面白いこというな!人間喰ってないのに一代でここまで人間模せたの誇ってもいいんじゃない!」

悠「まぁ、それは知らんけど。」

揺光【進化か。久々に面白い意見を聞けたのぅ……。ふむ。】
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