ー奇談ー學校へ行こう
ー教室(12/2/昼過ぎ)ー
普段の白衣から、もこもこのセーターに着替えてきた千世子は教卓の前で咳払いをした。
千世子「コホン、さっきはちょっとミスがあったが授業を始めます!」
悠「ちょっと?」
摩耶「ちょっとだよ。ちょっと全身ビショビショになっただけだよね?」
千世子「もーもー!それはいいのー!授業をするのー!」
本気で癇癪を起こす前に、二人は口を閉ざした。
悠「悪かったから授業をしてください」
千世子はムスッとしたまま黒板に文字を書いていく。
【ベオウルフのドラゴン】生息地域:ゲアタース(現在のスウェーデン南西部)
出典:イギリスの英雄物語『ベーオウルフ』
千世子「8~9世紀、日本が平安時代に突入したころ、イギリスで『ベーオウルフ』という英雄物語がつくられた。この物語はベオウルフという英雄王の一生を描いた作品なのだ。その最後の戦いとなったのが、毒と火を吐くドラゴンとの戦いであった!」
摩耶「おーなんか正にドラゴンって感じだね~。」
悠「ブレスはドラゴンの象徴だよな。俺もたまに口から液状のブレスを出すけどな」
摩耶「うん、それ、ゲロだね♪」
千世子「あんちん…バッチイ…。」
悠「ポイズンブレスだよ。」
千世子「えーと『ベーオウルフ』に登場するドラゴンは、空を飛び、毒を持ち、くちからは凄まじい火炎を吐き出した。体長は約15メートルもあり、まだら色をしたウロコ状の皮膚は、鋼鉄の剣を弾き返すほど硬かった。その住みかは洞窟のなかで、この洞窟にはすでに滅亡した貴族の財宝が隠されており、ドラゴンはこの財宝を気に入って洞窟に住み着き、財宝を見張りながら暮らしていたのだ。」
摩耶「財宝を守るドラゴン。RPGの王道だね。」
悠「ゲームによったら、チート過ぎるステータスだけどな。あ、現実でもか…」
摩耶「ねぇ、前から気になってたんだけど竜に知り合いがいるの?」
悠「気にするな」
千世子「ベオウルフとドラゴンの戦いは、洞窟に迷い込んだ人間が、ドラゴンが眠っている隙に財宝の一つを盗み出したことから始まる。」
摩耶「人間は欲深いねぇ」
悠「欲がない人間は居ないさ。」
千世子「怒ったドラゴンは、夜になると洞窟を飛び立ち、ベオウルフの治める国を炎で焼き付くしたのだ。この出来事はすぐに英雄王ベオウルフにも報告された。」
摩耶「それから、それから?」
千世子「ベオウルフはすでに数々の冒険を戦い抜いた老齢の身だったが、わずかな部下と共に、ドラゴンを倒すべく洞窟へ向かった。ドラゴンとベオウルフの戦いは壮絶のものとなる。ドラゴンは容赦なくベオウルフに炎を吹き掛け、降り下ろされたベオウルフの剣は砕けてしまう。ベオウルフは瀕死の傷を負いながらドラゴンに致命傷を与えて昏倒。ドラゴンは部下の若者によってとどめを刺され、すぐにベオウルフも息を引き取った。」
摩耶「……なんだか救われない話だね。」
悠「命をかけて竜から領土を守ったヒーロー話だろ。」
摩耶「そうかなぁ。僕は命がけで守るより、なにがあっても全力で生き抜く方が偉大だと思うけどね。」
悠「摩耶がいうと説得力あるわ。」
千世子「ちなみに英雄物語ベーオウルフは指輪物語にも影響してるんだぞ。ベーオウルフが素晴らしい物語として有名になったのも指輪物語、ロードオブザリングが映画で一躍有名になったからなのだ。」
摩耶「僕、ロードオブザリング見たこと無いけどね」
悠「俺もだ。」
千世子「千世子も!」
普段の白衣から、もこもこのセーターに着替えてきた千世子は教卓の前で咳払いをした。
千世子「コホン、さっきはちょっとミスがあったが授業を始めます!」
悠「ちょっと?」
摩耶「ちょっとだよ。ちょっと全身ビショビショになっただけだよね?」
千世子「もーもー!それはいいのー!授業をするのー!」
本気で癇癪を起こす前に、二人は口を閉ざした。
悠「悪かったから授業をしてください」
千世子はムスッとしたまま黒板に文字を書いていく。
【ベオウルフのドラゴン】生息地域:ゲアタース(現在のスウェーデン南西部)
出典:イギリスの英雄物語『ベーオウルフ』
千世子「8~9世紀、日本が平安時代に突入したころ、イギリスで『ベーオウルフ』という英雄物語がつくられた。この物語はベオウルフという英雄王の一生を描いた作品なのだ。その最後の戦いとなったのが、毒と火を吐くドラゴンとの戦いであった!」
摩耶「おーなんか正にドラゴンって感じだね~。」
悠「ブレスはドラゴンの象徴だよな。俺もたまに口から液状のブレスを出すけどな」
摩耶「うん、それ、ゲロだね♪」
千世子「あんちん…バッチイ…。」
悠「ポイズンブレスだよ。」
千世子「えーと『ベーオウルフ』に登場するドラゴンは、空を飛び、毒を持ち、くちからは凄まじい火炎を吐き出した。体長は約15メートルもあり、まだら色をしたウロコ状の皮膚は、鋼鉄の剣を弾き返すほど硬かった。その住みかは洞窟のなかで、この洞窟にはすでに滅亡した貴族の財宝が隠されており、ドラゴンはこの財宝を気に入って洞窟に住み着き、財宝を見張りながら暮らしていたのだ。」
摩耶「財宝を守るドラゴン。RPGの王道だね。」
悠「ゲームによったら、チート過ぎるステータスだけどな。あ、現実でもか…」
摩耶「ねぇ、前から気になってたんだけど竜に知り合いがいるの?」
悠「気にするな」
千世子「ベオウルフとドラゴンの戦いは、洞窟に迷い込んだ人間が、ドラゴンが眠っている隙に財宝の一つを盗み出したことから始まる。」
摩耶「人間は欲深いねぇ」
悠「欲がない人間は居ないさ。」
千世子「怒ったドラゴンは、夜になると洞窟を飛び立ち、ベオウルフの治める国を炎で焼き付くしたのだ。この出来事はすぐに英雄王ベオウルフにも報告された。」
摩耶「それから、それから?」
千世子「ベオウルフはすでに数々の冒険を戦い抜いた老齢の身だったが、わずかな部下と共に、ドラゴンを倒すべく洞窟へ向かった。ドラゴンとベオウルフの戦いは壮絶のものとなる。ドラゴンは容赦なくベオウルフに炎を吹き掛け、降り下ろされたベオウルフの剣は砕けてしまう。ベオウルフは瀕死の傷を負いながらドラゴンに致命傷を与えて昏倒。ドラゴンは部下の若者によってとどめを刺され、すぐにベオウルフも息を引き取った。」
摩耶「……なんだか救われない話だね。」
悠「命をかけて竜から領土を守ったヒーロー話だろ。」
摩耶「そうかなぁ。僕は命がけで守るより、なにがあっても全力で生き抜く方が偉大だと思うけどね。」
悠「摩耶がいうと説得力あるわ。」
千世子「ちなみに英雄物語ベーオウルフは指輪物語にも影響してるんだぞ。ベーオウルフが素晴らしい物語として有名になったのも指輪物語、ロードオブザリングが映画で一躍有名になったからなのだ。」
摩耶「僕、ロードオブザリング見たこと無いけどね」
悠「俺もだ。」
千世子「千世子も!」